本日は昨日の吹雪が嘘のように、気持ちよく晴れ渡った。
家の前の雪掻きをやった後、真ん中と下の子を連れて散歩に出かけた。
深々と新雪の中に足を踏み入れる体験は久しぶりであった。
学生時代に北海道の靴屋で買ったゴツい登山シューズが活躍した。
次に履くのは何年後だろうか。いや、数日後にまた足を通すことになるのであろうか。
真尾悦子『サイクル野郎2500キロ』 (筑摩書房 1988)を読む。
図書館で廃棄になった本を貰ってきたもので、随分古い本である。
あとがきによると、作者の友達の息子さんの水木伸太郎くんが、高専3年生の夏に約1ヶ月かけて北海道を自転車で一周した際の体験と記録がもとになった「ドキュメンタリー小説」である。北海道の自然を自転車で駆け抜けていく10代の青年ならではの友情や熱意がさわやかに描かれている。
私も先日購入した『最新基本地図』(帝国書院 2013)を片手に、函館から、小樽、札幌、苫小牧、帯広、旭川、稚内、斜里、根室、釧路、阿寒湖、帯広、洞爺湖、室蘭と、2500キロの旅を共にしながら一気に読んだ。
地図を片手に読む小説の面白さに目覚めつつある。
私自身も、学生時代にバイクで2週間かけて北海道一周しており、雨に祟られた中標津町の開陽台や、阿寒湖での道ばたの露天風呂などの懐かしい記憶がよみがえってきた。そういえば、留萌近くの小学校の先生からコーヒーをごちそうになったり、帯広で仲良くなったおじさんとドーナツ屋の裏手からドーナツの入ったゴミ袋を漁ったり、懐中電灯の光一つで初めて出会った人たちと語り合ったり、今でも体一つで受け止めてきた体験が記憶の片隅に懐かしく残っている。全くの予定も予約もなく、携帯電話もカーナビもETCもない,当たってくだけろの2週間であった。