田中慎也『犬と鴉』(講談社 2009)を半分程読む。
表題作の他、『血脈』『聖書の煙草』の2作が収められている。
作者の自伝小説といった雰囲気の『聖書の煙草』は、「自然主義」文学に近い内容で、かなり突っ込んだ描写が興味深かった。
女性の読者は引いてしまうかもしれない。
表題作の『犬と鴉』の方は、どうしても物語世界に上手く入り込むことができず、20ページでダウンした。
『犬と鴉』
コメントを残す
田中慎也『犬と鴉』(講談社 2009)を半分程読む。
表題作の他、『血脈』『聖書の煙草』の2作が収められている。
作者の自伝小説といった雰囲気の『聖書の煙草』は、「自然主義」文学に近い内容で、かなり突っ込んだ描写が興味深かった。
女性の読者は引いてしまうかもしれない。
表題作の『犬と鴉』の方は、どうしても物語世界に上手く入り込むことができず、20ページでダウンした。
新井満・新井紀子『ハイジ紀行:ふたりで行く「アルプスの少女ハイジ」の旅』(白泉社 1994)を読む。
大ヒットした『千の風になって』の作曲家でもあり、芥川賞作家でもある新井満氏と妻の二人の写真文集である。3児の母である新井紀子さんが40代半ばを迎え少し時間に余裕ができたため、少女時代から憧れ続けた『アルプスの少女ハイジ』の舞台となったアルプスの山々や村々と、原作者ヨハンナ・シュピーリのゆかりの土地を訪ね歩いていく。きれいな写真と心地よい文章で構成され、旅行ガイドともなっている。
スイスと聞くと、山と森に囲まれた自然豊かな国というイメージがつきまとう。しかし、統計をみると国土に占める森林の割合は31%であり、日本の69%の半分にも満たない。それだけ日本は森に囲まれた資源豊かな国なのである。
本日の東京新聞朝刊に、9日にスイスで実施された国民投票で、移民流入に対する規制が賛成50.8%の僅差で可決されたとの記事が掲載されていた。スイスは1999年にEUと自由移動に関する協定を締結している。その後東欧やアラブ諸国から低賃金の労働者やイスラム教系移民の流入が続いているそうだ。左派やイスラム系団体による抗議のデモの様子が紹介されていたが、国内においても「永世中立」を保てるかどうかが問われている。