子ども図書館で感想文を書いている間、偕成社80周年記念出版『世界のともだち』という子ども向けの本を読んだ。
加瀬太郎写真・文『世界のともだち イギリス 元気にジャンプ!ブルーベル』(偕成社 2015)を眺める。
ロンドン郊外に住む平均的な4人家族の日常風景が収められている。日曜日には家から車で30分ほどのところにある森でMTBを楽しむなど、生活レベルの高さがうかがわれる。
イギリスの夏は夜9時ぐらいまで明るいとあった。ロンドンは北緯51.3度に位置するので、日本の北緯35度(東京 札幌・43度)と比べ15度ほど北にある。ちなみに北極圏(北緯66.3度)では、夏至の日照時間が24時間となる。日本は7時過ぎくらいに陽が沈むので、ちょうど東京と北極圏の中間に位置するロンドンではそのくらいになるのだろう。
小松義夫写真・文『世界のともだち セネガル 貝がら島のマドレーヌ』(偕成社 2015)を眺める。
セネガルの首都ダカールから約110キロ下った貝がらでできた島で暮らす家族の日常が収められている。セネガルは他民族・多言語国家であるが、国内の世情は安定しており、人口の9割を超えるイスラム教とキリスト教のお墓が同じ場所にあるという。セネガルの人々が神の木と崇めるバオバブの木の力であろうか。
ダカール沖にあるゴレ島には、アフリカ各地から集められ奴隷としてアメリカ大陸に送られた「奴隷の館」があり、世界遺産(負の遺産)に登録されている。
百々新写真・文『世界のともだち ウズベキスタン シルクロードの少年サブラト』(偕成社 2016)を眺める。
中央アジアに位置するウズベキスタン(首都タシケント)の古都サマルカンドに住む少年の家族や学校、趣味が紹介されている。食事の写真が印象的であった。豚肉料理こそないが、プロフなどの遊牧民が食べてきた料理に加え、ロシアや中国、ペルシャなど様々な料理が食卓に並べられている。
ウズベキスタンはイスラム教徒が8割を占める国だが、女性は全く顔や頭を隠していない。人口は3000万人近くおり、中央アジアの約半数を占める。内陸国で塩湖のアラル海に面している。鉱物資源に恵まれ、金の埋蔵量は世界第4位、その他に石炭や天然ガス、原油、ウランなども取れる綿花の生産量は世界第6位で、ブドウやたばこの生産も多い。