本日の東京新聞朝刊に、トランプ米大統領が14日、他国への制裁を発動できる通商法301条に基づき、中国による米企業の知的財産侵害を調査するよう米通商代表部に指示する大統領令に署名したとの記事が載っていた。中国との貿易不均衡を見直す公約実現に加え、北朝鮮の核・ミサイル開発の阻止に向けた中国の対応を促す狙いがあるとのこと。
これに対し、中国商務省の報道官は15日、「米通商法301条は一方的措置の色彩が濃く、他国は一貫して反対している」「米国は多国間ルールの破壊者となるべきではない」と、自由貿易推進のために世界貿易機関(WTO)が定めた規則を守れとの談話を発表している。
この通商法301条は他国との調整を無視し、軍事的圧力を背景に米国が一方的に推し進める施作である。実際に制裁が発動された場合、当該国の周辺を米軍がウロつくのである。もしくは当該国と敵対関係にある近隣諸国との合同軍事演習が展開される可能性が高い。日本が横柄な米国彼氏に対して、「都合の良い女」を演じてきた歴史を見るべきである。中国と対立関係の懸念がある日本や台湾、チベット、中央アジアと米国との関係に注目していきたい。
米通商法301条
1974年に制定された米通商法の他国による「不公正な貿易慣行」への報復措置を定めた条項。米通商代表部(USTR)が調査し、不当な輸出補助金やダンピング(不当廉売)などに当たると判断した場合、相手国との是正措置を協議する。解決しなければ一方的に高関税や輸入制限などの措置を講じることができる。
80年代の日米貿易摩擦で日本から譲歩を引き出すために多用された。(時事)