月別アーカイブ: 2015年1月

『結婚の条件』

小倉千加子『結婚の条件』(朝日新聞社 2003)を読む。
かなり長い間本棚に眠っていた本である。
influenzaの薬の副作用でボオーッとした頭でも読みやすい本はないかと、本棚の奥から引っ張り出してきた。
2002年から2003年にかけて雑誌「一冊の本」(朝日新聞社)に連載されたfeminism論がまとめられている。
雑誌媒体に掲載されていた内容なので、当時の芸能人の恋愛事情や女性誌のタイプなどよく分からない例もあったが、女性・男性を問わず、結婚が難しくなった時代をうまく分析していた。
筆者は女性の立場から、学歴や母親の期待、自己投資、主婦という選択、結婚相手としての女性の価値、女性の「勝ち組」基準などなど、他人よりも上に行けば良しとする男性の価値基準よりも、複雑怪奇に入り組んだ女性ならではの生き方の難しさを丁寧に紐解いていく。
結婚の難しさを、単に収入や容姿、恋愛の上手下手の問題に限定させず、教育や学歴、世代の問題にまで拡げていく意欲作となっている。

「婚活」という言葉もなく、「格差」もまだ今ほど人口に膾炙していなかった2003年の段階で、筆者は次のように論をまとめる。

 女子学生は、現在の自分の生活水準を保障してくれる男を探し、男子学生はユートピア的場所となる女を探す。しかし、そんな理想の相手はどこにもいない。いやしかし、理想の相手を見つけて幸福な結婚をしている人は現にいるではないか。自分はなぜそこから締め出されるのか。なぜ夢を追ってはいけないのか。夢を実現した一部の者への復讐の時代がこれからはじまると、私は密かに覚悟しているのである。

『ネコババのいる町で』

瀧澤美恵子『ネコババのいる町で』(文藝春秋 1990)を読む。
第69回「文學界」新人賞と第102回芥川賞を受賞した表題作の他、『神の落とし子』『リリスの長い髪』の2作が収められている。
芥川賞受賞作である『ネコババ〜』は、女性的な視点でのみ一方的に物語が進行していき、何の面白さも感じなかった。

『ネコババ〜』だけで読むのを止めようかと思ったが、芥川賞作家は、受賞作以外の作品の方が面白かったりもするので、あまり期待せずに他の2作品も読んでみた。豈図らんや、他の2作の方が断然面白かった。近所に住む娘っこに見事に仕組まれる若旦那の惨めな人生を描いた『神の〜』、女性の気まぐれに振り回される『リリスの〜』のどちらの作品も、女性の爛漫な計算高さに騙される男性が描かれている。

特に『神の〜』の方は、結婚生活に失敗した主人公が、家族に見捨てられ、社会に見捨てられ、ゴミ収集で糊口しのぐだけの廃人のようになってしまう。太宰治の『人間失格』に似た展開で、身につまされるような読後感が残った。

『速記者たちの国会秘録』

菊地正憲『速記者たちの国会秘録』(新潮新書 2010)を読む。
本日も朝からずっと布団で横になっている。
熱はないのだが、咳がひどく頭も重いので、読みやすい本ということで手に取ってみた。

ここ10年ほどは新規で採用することもなく、廃止の方向にある国会の速記者の仕事に注目した珍しい本である。
速記者の仕事そのものよりも、現場にいた速記者で今だからこそ話せる政治の舞台裏話が中心である。
国会速記者と聞くと、録音技術や音声自動認識技術の進歩により、消えゆく職業の筆頭格のような印象がある。しかし、吉田茂首相の「バカヤロウ」発言に代表されるように、国会での呟きや言い間違いを発端とした政治問題は、今後とも尽きることがないであろう。
筆者はデジタルな技術が進歩した近年、マスコミが政治家のちょっとした読み間違いやつっかえなどの些細な点を捉えるようになり、政治家の方もマスコミ受けを気にするあまり縮こまってしまう現状に危惧を呈している。

確かにテレビのワイドショーの政治家の取り上げ方は

『城崎殺人事件』

内田康夫『城崎殺人事件』(光文社文庫 1998)を読む。
オリジナルは1989年に刊行されており、公衆電話の有無がアリバイの認定に使われるなど、昭和の時代を感じる作品であった。
今日は、昼前に行った病院でインフルエンザと診断され、一日中家族から隔離された状態で寝ていた。
このような時に読む旅情ミステリーは良いもんだ。

〈集会等お知らせ〉

1_25omote

【拡散希望】
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1.25 国会包囲ヒューマンチェーン
沖縄の民意を無視するな! 辺野古に基地はつくらせない!
http://noosprey.xxxxxxxx.jp/index.html
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とき:2015年1月25日(日)14時〜15時
14時〜リレートーク、15時〜ヒューマンチェーン
終了見込み時刻は15時半です。
場所:国会周辺
(国会正門向かいの通りから集まり、国会包囲を目指します)
最寄り駅(国会議事堂前、永田町、霞ヶ関)
※シンボルカラーは青です。青い服、青い布、何でもいいので美しい海の青い色で国会を囲みましょう。
主催:「1.25国会包囲ヒューマンチェーン」実行委員会
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2015年1月は、沖縄の全41市町村長を含む代表団が東京・日比谷野外音楽堂で集会・デモを行い、安倍首相に「建白書」を直接手渡してから2年となります。
「建白書」の要求は2つでした。

1.オスプレイの配備を直ちに撤回すること。
2.米軍普天間基地を閉鎖・撤去し、辺野古への「移設」を断念すること。

その後、仲井眞知事(当時)が公約をひるがえして、辺野古埋め立てを承認するということもありましたが、今や、辺野古新基地建設は認めないという沖縄の民意は明らかです。

2014年11月16日、辺野古新基地建設反対を掲げる翁長雄志氏が沖縄県知事選に勝利しました。12月14日の衆議院選挙においても、辺野古新基地建設に反対する候補が沖縄全4区で当選しました。しかし、安倍首相は「普天間の固定化はあってはならない。選択肢は辺野古しかない」と述べ、あくまでも辺野古に基地を建設する姿勢を変えていません。

日本全土の0.6%の面積の沖縄に在日米軍基地の74%を押しつけている上に、普天間基地の撤去を理由に基地を沖縄県内でたらい回しにすることは許されません。選挙の結果を見ても沖縄の民主主義は機能しています。今問われているのは日本「本土」の市民の人権感覚と民主主義ではないでしょうか。

政府が沖縄の民意を無視しようとしている今、日本「本土」の側でも反対の声をあげ、辺野古にも高江にも基地はつくらせないという私たちの抗議の意志を目に見える形で明らかにしましょう。

2015年1月25日は国会開会日の前日となる見込みです。翌日からの国会の議論にも影響を与えるべく、ヒューマンチェーンで国会を包囲します。
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<呼びかけ団体・個人>
青木初子(部落解放同盟品川支部、名護市出身)/アジア共同行動/ATTAC Japan(首都圏)/厚木基地を考える会/アンポをつぶせ!ちょうちんデモの会/うちなんちゅの怒りとともに!三多摩市民の会/ex-SASPL/沖縄意見広告運動/沖縄の自立解放闘争に連帯し反安保を闘う連続講座/沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック/沖縄文化講座/沖縄のための日米市民ネットワーク(JUCON)/オスプレイの沖縄配備に反対する首都圏ネットワーク/<語やびら沖縄>もあい練馬/川平朝清(東京沖縄県人会名誉会長)/鎌田慧(ルポライター)/協同センター・労働情報/金城驍(東京沖縄県人会副会長)/金城吉春(中野・あしびな~)/原子力空母の母港化に反対し基地のない神奈川をめざす県央共闘会議/憲法九条やまとの会/相模補給廠監視団/島袋徹(東京沖縄県人会事務局長)/島袋善弘(山梨県立大学名誉教授)/ジュゴン保護キャンペーンセンター/STOP! 辺野古埋め立てキャンペーン/すべての基地にNOを・ファイト神奈川/戦争反対・平和の白いリボン神奈川/全国労働組合連絡協議会/高橋哲哉(哲学者)/伊達判決を生かす会/俵義文(「子どもと教科書全国ネット21」事務局長)/日韓民衆連帯全国ネットワーク/日本山妙法寺/反安保実行委員会/「バスストップから基地ストップ」の会/パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委員会/非核市民宣言運動ヨコスカ/ピースサイクル首都圏ネット/ピース・ニュース/ピースボート/フォーラム平和・人権・環境/ふぇみん婦人民主クラブ/平和をつくり出す宗教者ネット/平和をつくる大和市民の会/辺野古への基地建設を許さない実行委員会/辺野古リレー~辺野古のたたかいを全国へ~/本郷文化フォーラム・ワーカーズスクール/前田哲男(軍事ジャーナリスト)/宮森・630を伝える会/許すな!憲法改悪・市民連絡会/ゆんたく高江/ヨコスカ平和船団/労働運動活動者評議会/渡辺美奈(女たちの戦争と平和資料館(wam)事務局長)
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問い合わせ
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック TEL:090-3910-4140
沖縄意見広告運動         TEL:03-6382-6537
ピースボート           TEL:03-3363-7561
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