日別アーカイブ: 2015年1月19日

センター試験

一昨日行われたセンター試験の国語の問題を解いたみた。
60分弱くらいで解いてみたのだが、170点くらいであった。勿論、時間通り解いたら9割はいくはずである( *`ω´)

今回の問題は大変オーソドックスに出来ており、難易度は高いが、高校の授業や過去問をしっかりやった生徒が点数が取れる良問である。
ここ最近のセンターで一番完成度が高いと評価したい。評論文はツイッターやネットの掲示板などの馴染みやすい内容であり、根拠も見つけやすかった。また、古文も重要単語や敬語、助動詞が絡んだ訳など、高校授業の範囲内であり、漢文も基本的な句形や重要漢字からの出題であった。特にここ2年ほどの高校の授業ではとてもカバーできないような出題とは異なり、高校の教員に希望と安心感を与えるものである。

ただし、小説問題はいささか首を傾げざるを得ない。80分という試験時間を現代文だけ、もしくは現代文古文だけで使える受験生は良いが、評論小説古文漢文の4題を解く者にとっては徒らに時間を食う問題が多かった。センター試験は50数万人が受験するものであり、韻文からの出題といえど妥協を許さない客観性が求められる。今回はいささか詩的表現を味わう「感性」を問うような問題が含まれており、二次試験や私大の問題としては良いが、センター試験には似つかわしいものではなかったと思う。

今年もセンター利用入試を導入する私立大学が増えたため、昨年以上に、近代以降の文章、もしくは現代文+古文という組み合わせを選択する受験生が多かった。高校の教育課程にそもそも古典がない専門高校在籍生徒の工学部進学などをカバーする目的ならば理解できるが、日東駒専や法政といった一流と呼ばれる大学の文系学部で受験生確保のために教科の負担を減らすことは切に止めてほしい。易きに流れる大学入試の「多様化」こそが高校教育の破壊の元凶である。

「三月入学」

本日の東京新聞夕刊の一面コラム「紙つぶて」に、京都大学経済研究所の梶井厚志教授の「3月入学」改革案が載っていた。
梶井氏は、予算年度と合致して便利というだけの4月入学に合わせるために、センター試験をわざわざ悪天候で体調不良者が出やすい1月中旬に行う慣行に異議を唱える。そして次のように述べる。

 三月入学にして、現行の学年層を一カ月前倒しすれば、何事もはるかにうまく行くだろう。センター試験は十二月中旬になるから、雪やインフルエンザの問題も少ない。一月は授業がなくなるから暖房も節約でき、前期の授業は六月中旬に終了するから冷房も助かるゆえ、大変エコである。ゴールデンウィークも一学期目の中休みとしてちょうど良い。ついでながら、大学教員は六月七月に集中する欧米の学会に顔を出せるようになろう。

3月入学は、2、3年前に話題になった「秋入学」よりは現実的で、現行からの移行もスムーズだと思う。ネットで調べてみると、隣国の韓国も3月入学を実施している。また、欧米の大半は9月入学なので、3月〜8月を前期、9月〜2月を後期とすれば、海外への留学も、海外からの留学生受入もやりやすくなる。少なくとも梶井氏の指摘する通り、4月よりはメリットばかりのように思う。
今まで、入学式は桜で彩られるというイメージが強かったが、暖冬の影響でどんどん桜の開花時期は早まっており、実際は4月8日の入学式前に散っていることが多い。また、3月中旬の入学式であれば、桜舞い散る中で学校生活がスタートしていく風景が見られそうだ。