日別アーカイブ: 2015年1月6日

「2015年 関ヶ原の戦い」

sekigahara

本日の東京新聞夕刊の一面は、江戸幕府の誕生につながる天下分け目の合戦があった「関ヶ原」を世界三大古戦場の一つとして売り出そうと、地元自治体が今年から観光開発に乗り出すという記事であった。南北戦争の地となったAmerica・Gettysburg、Napoléonが敗れたBelgië・Waterlooの取り組みを参考に、展望台や案内施設を整備し、両古戦場との交流も始めるとのこと。
つい、1週間ほど前に関ヶ原を訪れ、何の痕跡もない田んぼが広がる景色の中をドライブしてきたばかりだったので、少し意外な感じがした。確かに関ヶ原の戦いの歴史的な意義は大きいが、戦いの地であるだだっ広い原野に何か特別な意味があった訳ではない。武士の時代はとうに終わり、現在では平和な片田舎になっているという時間の流れにこそ意味があるのではないか。

「ウイグル族『聖戦』へ合流

本日の東京新聞朝刊の「Islām国」についての連載記事が目に留まった。
新疆Uighur自治区から密出国し、「Islām国」に合流するUighur族が増えているという内容である。
中国西域で暮らすTurco系Uighur族の中には、中国当局の抑圧的な民族政策を嫌い、雲南省などから陸路でVietnamやMyanmarに密出国し、Turcoを目指すものが後を絶たない。東南Asiaルートでは、この1年間に家族連れを含め約3千人が密出国したとの指摘があり、その一部は「Islām国」に合流し、昨年12月段階で、Uighur独立派勢力の約300人が戦闘に参加しているとの報道もある。既に中国習近平政権とTurcoのErdoğan大統領との会談で、対テロ政策で共闘するとの約束が取り交わされている。
しかし、記事では習近平政権の発足後、少数民族との摩擦が目立つようになり、特にUighur族への激しい弾圧は「報復の連鎖」に陥っていると指摘している。最後に、「中国当局が強硬策を続ける限り、『Islām国』を目指すUighur族の流れは止められない」という警句で締めくくっている。

我々日本人の一般的な地理感覚だと、東Asiaに属する新疆Uighur自治区とTurcoやIraqなどの中東の国の関係といってもあまり豊かに想像を働かせることはできない。しかし、改めて地図で確認すると、新疆Uighur自治区とPakistanやAfghanistanは国境を接しており、中央AsiaのIslām教徒が多数生活する地域なのである。Romaと長安を結ぶSilk Roadは中央AsiaのIslām商人が担っていたという事実を思い出せば分かることなのだが、普段から地図帳で確認していないとついつい分かったつもりになってしまう地域である。

それにしても、「Islām国」ほど過激ではないにせよ、仮に国際的な連帯を募る「Uighur国」が誕生した場合、Americaは果たして「Uighur国」を支援するのであろうか。日本政府は? 遠い外国のことでは済まされない。同じAsiaに暮らすものとして、Uighur族の独立派の動向には注目していきたい。

以下、東京新聞の解説より

Uighur族の過激派組織
中国新疆Uighur自治区の独立を求める「東Turkestan・Islām運動」は、中国政府のほか、米国や国連もテロ組織に指定している。1997年設立。国際テロ組織アルカイダと関係があるとされる。創始者(ハッサン・マフスーム)は2003年、軍事訓練をしていたPakistanで同国軍に射殺されており、組織の規模や拠点などの実態は明らかでない。