菊地正憲『速記者たちの国会秘録』(新潮新書 2010)を読む。
本日も朝からずっと布団で横になっている。
熱はないのだが、咳がひどく頭も重いので、読みやすい本ということで手に取ってみた。
ここ10年ほどは新規で採用することもなく、廃止の方向にある国会の速記者の仕事に注目した珍しい本である。
速記者の仕事そのものよりも、現場にいた速記者で今だからこそ話せる政治の舞台裏話が中心である。
国会速記者と聞くと、録音技術や音声自動認識技術の進歩により、消えゆく職業の筆頭格のような印象がある。しかし、吉田茂首相の「バカヤロウ」発言に代表されるように、国会での呟きや言い間違いを発端とした政治問題は、今後とも尽きることがないであろう。
筆者はデジタルな技術が進歩した近年、マスコミが政治家のちょっとした読み間違いやつっかえなどの些細な点を捉えるようになり、政治家の方もマスコミ受けを気にするあまり縮こまってしまう現状に危惧を呈している。
確かにテレビのワイドショーの政治家の取り上げ方は