「イオンの長い廊下を抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。駐車場に車が止まった。」
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『永遠の0』
大雪の中、イオンシネマで、山崎貴監督、 岡田准一・三浦春馬主演『永遠の0』(東宝 2013)を観た。
原作者の百田尚樹がマスコミを賑わせている時だったので、この作品に対する「特攻を美化している」とか「戦争を賛美している」「安倍総理のお気に入り」などの批判を意識しながらの鑑賞となった。原作は読んでいないので分からないが、映画に限って言えば、フィクションという理解のもとに観るならば、特に特攻を美化しているなどの一方的な偏りは感じなかった。戦争のむごたらしさをしっかりと打ち出されているように感じた。
8年前に観た、中村獅童・反町隆史主演、佐藤純彌監督『男たちの大和』(2005 東映)よりは、時代考証も含め完成度は高い。
戦争よりも、日本から何千キロも離れた絶海で、ちっぽけな戦闘機で特攻に向かう、その距離感が恐ろしい。
『イリオモテ島』
横塚眞己人『イリオモテ島:原色のパラダイス』(新日本教育図書 1989)を手に取った。
観光、マリンスポーツ、野生動物、野鳥、植物、祭の6つ面から西表島の魅力を紹介する写真文集である。
1989年刊行の本で、ワンレンのモデルの女性がゴルフを楽しむ姿など、時代を感じるバブリーな写真も載っている。
亜熱帯気候に特徴的なマングローブの林が大変豊かな生態系を育んでいる実態がよく分かった。
「原色のパラダイス」というタイトルにあるように、真っ赤なホタルや目玉模様のチョウの写真が気味悪かった。
『ラッシュ/プライドと友情』
『犬と鴉』
田中慎也『犬と鴉』(講談社 2009)を半分程読む。
表題作の他、『血脈』『聖書の煙草』の2作が収められている。
作者の自伝小説といった雰囲気の『聖書の煙草』は、「自然主義」文学に近い内容で、かなり突っ込んだ描写が興味深かった。
女性の読者は引いてしまうかもしれない。
表題作の『犬と鴉』の方は、どうしても物語世界に上手く入り込むことができず、20ページでダウンした。