いよいよ後ろ足の筋肉が弱ってしまい歩けなくなりました。
眼も見えていないのか、餌の置いてある場所までの移動も難儀しているようです。
とうとう、猫用のおむつを穿くようになりました。また、餌も固形からCIAOちゅーるという流動食になりました。
月別アーカイブ: 2023年1月
「女性が変えるイラン」
『生きるということ』
宮田光雄『生きるということ:読書による道案内』(岩波ジュニア新書 1987)をパラパラと読む。
著者の宮田さんはまだ存命で、旧制第三高校から東京大学法学部を卒業し、長らく東北大学で政治学史を担当し、法学部長まで務めた人物である。その著者がグリム童話とミヒェエル・エンデの『果てしない物語』、19世紀末のユダヤ人迫害を描いたフェーアマンの『隣の家の出来事』の3冊を紹介し、そこから自分自身への問い、他者への問い、さらには社会への問いについて説明を加えている。
「はじめに」の項の中で著者は次のように述べる。中高生向けに書かれた文だが、人生の折り返し地点を回った中高年こそ読むべき文だと思う。
私たちが、かけがえのない一回かぎりの人生の意味とほんとうの目的に出会うために、こころの旅にでなければならないということです。それは、私たちが、自分自身の心の世界に目覚め、自分とは何ものかを見きわめる旅なのです。それは、おそらくきみたちの若い日から始まり、大人になり、やがて死ぬ日までつづく生涯の課題なのでしょう。
しかし、そこでとくに大切なのは、この私たちの心の旅は、あらかじめ誰かによって決められた人生コースをたどる旅ではないということです。何か既成のできあがりの地図を頼りにするのではなく、自分自身で新しく路線を引きながらたどる探究の旅だということです。そして同時に、この旅は、私たちが自分のこころの世界から他者のこころの世界へとつながっていき、さらには社会のなかへ、歴史のなかへ参加していく旅でもあるということです。
「移動店舗 花盛り」
本日の東京新聞朝刊に、コロナ禍で注目を浴びた「キッチンカー」などの移動店舗の特集が掲載されていた。こうした移動店舗はコロナ禍が終了しても、商店街が少ない都心の再開発地区や過疎化が深刻な地方の集落などで一定程度の需要がある。どちらも車を持っていない家庭が多く、徒歩や自転車などで気軽に買いに行ける商店がない。そうした地域で固定の店舗を持つのは地価上昇や売上減少などの不安要素が大きい。記事にあるような移動店舗であれば、出前や出張のような顧客一人一人に応じた移動コストがかからない。
東京でも埼玉でも、昭和の頃にたくさんあった屋台営業がほとんど見られなくなった。キッチンカーなどは令和の屋台としてこれから業績を伸ばしていくのではないだろうか。コンビニには真似できない商品やサービスに特化することと、チェーン店ではできない暖かい応対が求められる。
「アフガンのタリバン政権 中国と油田開発契約へ」
本日の東京新聞朝刊に、アフガニスタンのタリバン政権と中国企業の間で油田開発契約の話が進んでいるとの記事が掲載されていた。ネットで調べたところ、10年ほど前から中国企業が開発に動いていたとのことである。
アフガニスタンは昨夏米軍が撤退してから、混乱に拍車がかかっている国である。失業率は50%近くあり、一人あたりのGDP(2021年)は370ドルほどである。もちろんアジアの中では最低で、世界でも南スーダンやブルンジと同じ最下位に位置する。3890万人の人口のうち、1840万人に緊急の人道支援が必要な状態である。農業も工業も不振で、輸出品目の第1位がドライフルーツ、第2位が薬草となっている。いくら金銭的な支援を行ってもアフガニスタンを救うことはできない。
そうした中で、今回の記事はアフガニスタンにとっては渡りに船である。油田開発は中国企業が一手に担うため、アフガニスタンの雇用に繋がらないとか、資源外交はタリバン政権の懐を潤すだけで庶民は切り捨てられたままなどの不安は残るが、国全体としての経済を下支えしてことにはなるであろう。
しかし、なぜ中国が積極的にアフガニスタンに関わるのであろうか。
アフガニスタンはアルプス・ヒマラヤ新期造山帯にあるため、原油や天然ガスが眠っていると推定できる。2010年の報告によると、原油・天然ガスだけでなく、ウラン、ボーキサイト、石炭に加え、クロムなどのレアアースを含め、1兆米ドルの鉱物埋蔵量があるとのことである。しかし、実際の信憑性について疑問の声もある。鼻息荒く「取らぬ狸の皮算用」を弾いても、「大山鳴動して鼠一匹」となりかねない。
記事にもある通り、中国はアフガニスタンの資源以上に、インドに対抗して「一帯一路経済圏」を進める上で、アフガニスタンやパキスタン、イランを通る貿易ルートの確立が欠かせない。地図で確認すれば分かるが、中国からアフリカへの最短ルートとなる。中国マネーの借款で苦しむスリランカやラオス、モンテネグロの二の舞にされてしまうのであろうか。