日別アーカイブ: 2023年1月2日

『名もなき毒』

第41回吉川英治文学賞受賞作、宮部みゆき『名もなき毒』(文春文庫 2011)を読む。
中日新聞をはじめとするブロック紙に2005年3月から12月にかけて連載された小説である。推理小説の体を取りながら、現代社会に上手く馴染めず、他人や社会との溝を心の毒で埋めようとする人間像を描く。クリスマスなど他人の幸せが嫌でも目につく時期ともなると、自分の境遇との格差に苛立ちが募り、他人を攻撃したり、自傷行為に走ったり、あるいは逃避したりする人間の弱さを見事に炙り出している。面白いと思える作品ではなかったが、文学的なテーマを含む作品であった。

「第31回埼玉政財界人チャリティ歌謡祭」

昨日テレビ埼玉で放映されていた、大野埼玉県知事や清水さいたま市長、埼玉りそな銀行社長など、埼玉を代表する知事や県議会長、市町長、県内企業の社長などが一堂に会した歌謡祭を観た。意外に面白いという話だったので、冗談半分に見たところ、意外に楽しむことができた。歌そのものはすっ飛ばしたが、出演者のビジカジ風の格好や、インタビューの端々に表れる公私の微妙な使い分けなど、通な楽しみがあった。