日別アーカイブ: 2021年9月6日

「ギニアでクーデター」

本日の東京新聞夕刊に、西アフリカのギニアで陸軍がクーデターを起こしたとの記事が掲載されていた。陸軍特殊部隊の兵士は「貧困と汚職の蔓延」から大統領を解任し、新しい国家を建設すると発表したとのこと。

こういう記事を読むと、1936年に日本で起きた2・26事件を思い出す。中学校の歴史の時間に勉強した、陸軍青年将校が「昭和維新」を掲げ、首相・蔵相官邸や警視庁、新聞社を襲撃したクーデターである。当時の陸軍幹部も記事のギニアの陸軍特殊部隊と全く同じ、農村の貧困と政党政治の腐敗を指摘している。

2・26事件は計画が杜撰だったこともあり、3日間で鎮圧されたが、その後の日本は陸軍将校が目指した政治へと転がり堕ちていく。クーデターそのものは失敗したが、陸軍青年の果断な行動を支持する世論が根強く

「EU離脱でトラック運転手流出」

本日の東京新聞朝刊に、EU離脱に伴ってトラック運転手が英国を離れ、物流が滞留しているとの記事が掲載されていた。

EUは欧州域内の政治的、経済的な一体化を目指して成立し、現在フランスやドイツを中心に27カ国が加盟している統合体である。しかし、旧社会主義国の経済水準の低いハンガリーやルーマニアからの出稼ぎの増加による社会保障費の増大や、シリア系難民の受け入れに伴う社会不安など、加盟国間の不公平感も指摘されるようになった。特にイギリスは2005年にロンドン同時爆破テロが発生して以来、中東からの移民を受け入れに懐疑的な世論が強くなっていった。しかし、EUに加盟している以上、シェンゲン協定によりパスポートのチェックがないので、移民の流入を防ぐことはできない決まりになっている。そこで、英国は2016年の国民投票でEU離脱という道を選択することになった。

今回の記事は、東欧系や中東系の労働者が多くの割合を占めるトラック運転手の不足ということだが、元々は英国のここ10数年の間に議論された政策の帰結である。「EUは離脱しました。でも労働者が少なくなったので、また戻ってきてください」というのは、あまりに自分勝手な言い分であるように思う。私は英国はもっと困れば良いと思う。そうなることで、スコットランドやアイルランドとの経済交渉や、海外の旧英国植民地との関係も改善されていくのではないか。