小林健一『キューバ自転車横断紀行』(彩流社 2014)を半分ほど読む。
1946年生まれの著者が、タイトル通り自転車で23日間約1000kmの道のりを自転車で横断する旅行記である。著者は「輪行」に関する著書も出版しており、冒険記というよりも、普段通りの自転車海外旅行の詳細をレポートしている。
私好みのうってつけのテーマなのだが、淡々と話が進んでいくため、途中で飽きてしまった。キューバは北緯22度付近にあり、貿易風を背に東に進むと追い風をいつも受けるとか、ベネズエラと関係が深いのでガソリンが安いとか、ソ連崩壊後砂糖産業が崩壊したとか、面白い話はたくさんあるのに、著者自身にしか分からない舌足らずなエピソードが続くのでギブアップ。
それでも、キューバを取り巻く社会主義国の腐敗とラテン系なノリの生活スタイルの奇妙な調和の雰囲気は伝わってきた。