月別アーカイブ: 2021年7月

「再エネ鈍れば、原子力増も」

本日の東京新聞朝刊に、経済産業省が示した「エネルギー基本計画素案」で、再生可能エネルギーのさらなる上積みと火力発電の減少が示された。ただし、原子力については、争点としたくないため、現行の2030年度案のベースロード電源の位置付けを変えていない。

授業の中でも触れたいが、私は原発は即時廃炉、再生可能エネルギーやリチウムによる蓄電池で日本の電源賄えるようになるまでは、当面の間、天然ガス(LNG)に頼るべきだというのが持論である。そのために、オーストラリアやロシアとの外交の厚みを増やし、官民一体で天然ガスの供給確保と、全個体リチウム電池の研究開発に惜しみない予算を投入しなくてはならないと考える。

これは私自身の考えですが、授業の中で、皆さんに「火力か原子力」といった単純な議論ではなく、もっと深い今後の日本のライフスタイルにまで踏み込んだ議論をしたいと考えています。

「ペルー大統領に急進左派」

本日の東京新聞朝刊に、南米ペルーの大統領選挙の模様が報じられていた。
ペルーは授業の中でも、寒流のフンボルト海流(ペルー海流)や、地震に強いマチュピチュ遺跡など、取り上げることの多い国である。また、鉱産資源に恵まれた国で、銀の産出量はメキシコに次いで世界第2位、銅の産出量もチリに次いで世界第2位である。

独立行政法人金属資源情報の調べによると、以下の通りとなっている。

ペルーは多様な鉱物資源に恵まれており、銅精鉱等の鉱産物が同国の総輸出額の 58.9%(2019 年)を占める鉱業国である。また、我が国の非鉄金属資源確保上、最も重要な国の一つである。
資源埋蔵量は銀(世界第 1 位)、銅(同 2 位)、モリブデン(同 2 位)、鉛(同 4 位)、亜鉛(同 5 位)、金(同 7 位)、錫(同 9 位)等が世界 10 指にランキングされている(Mineral Commodity Summaries 2020、USGS)。
2019 年の鉱物生産量は、銅 2,455.4 千 t(前年比 0.8%増)(世界第 2 位)、亜鉛 1,385.2 千 t(同 6.1%減)(同 2 位)、銀 3,845t(同 7.6%減)(同 2 位)、鉛 307.2 千 t(同 6.2%増)(同 3 位)、錫 19.7千 t(同 5.8%増)(同 4 位)、モリブデン 30.4 千 t(同 8.6%増)(同 4 位)、金 128.4t(同 10%減)(同 7 位)であった(World Metal Statistics Yearbook 2020, Mineral Commodity Summaries 2020)。

記事にもあるとおり、元小学校教諭が鉱業の国による管理強化などの社会主義政策を打ち出して大統領に当選したが、何か危険な香りが漂っている。資源の国有化を打ち出す左派系政権の多くが、実態を変えつつ独裁政権となっていった歴史がある。エジプトやリビア、ロシアなどの歴史にまぶべきである。

「宮城大川小の震災遺構公開」

本日の東京新聞朝刊に、東日本大震災で84名の児童・教職員が犠牲となった宮城県石巻の大川小の校舎が、震災の遺構として整備され、一般公開されたとの記事が掲載されていた。
2年生の1組、3組、4組では、津波の被害の恐ろしさと、私たち埼玉県民にも被害が及ぶ点、実際の避難場所についての授業を行った。2組だけは接続トラブルで実施できず、すみませんでした。

また、3年生の授業では、人類自らが犯したの負の遺産(原爆ドームやアウシュビッツ強制収容所、奴隷貿易のセネガルのゴレ島など)を敢えて残し伝える「ダーク・ツーリズム」について学習した。この大川小の遺構も、津波の惨事以上に、学校としての人為的な避難の誤りを風化させないという意味がある。問題はこの遺構に、現在を生きる私たちが何を学ぶかである。

「キューバ 異例の反政府デモ』

本日の東京新聞朝刊に、キューバの反政府デモの様子が報じられていた。
キューバは米国のフロリダ半島からわずか140km沖合に位置する。1959年にチェ・ゲバラの盟友であったフィデル・カストロの左翼政権が成立して以来、半世紀にわたって米国と国交がない状態が続いた。1962年にはキューバ国内にソ連製の核ミサイル基地が建設されているとのことで、第3次世界大戦開戦かと騒がれたこともある。その後米国でキューバ制裁法が可決され、キューバを経済的に孤立させる政策がとられることになった。。

記事にもある通り、米オバマ政権時代の2015年7月に国交を回復したものの、トランプ政権以降、機運が冷え込んでしまい、単に政治的な国交回復で大使館が双方の国に設置されただけになっている。記事の最後にもあるが、新型コロナのピークが過ぎて、キューバの感染状況が落ちつき、米国からキューバへの観光が増え、経済的交流から暖めていくことが先決である。政治的に対立しても経済的に依存し合う、経済的に対立しても民間交流は欠かさないなどの、複数のチャンネルを持つことが、国家レベルでの外交でも、個人的な人間関係でも大切ですね。