日別アーカイブ: 2021年7月3日

「国内最古の恐竜卵化石」

本日の東京新聞夕刊に、国内最古の恐竜卵化石が岐阜県高山市から見つかったとの記事が掲載されていた。恐竜の卵というと、ドラえもんの映画『のび太の恐竜』を思い出す。確か映画の中でも、のび太たちが1億年前の白亜紀の日本にタイムスリップしたところ、海のど真ん中だったという場面があった。

記事にある恐竜は獣脚類恐竜「トロオドン科」か、その近縁種と判明しているが、トロオドンが活躍していた頃、日本の大陸はユーラシア大陸の一部であった。その後、約3000〜2000万年前、インド亜大陸がユーラシア大陸にぶつかるのと同じ頃、プレートテクトニクスにより逆にユーラシア大陸から剥がれていったと考えられている。日本がユーラシア大陸から完全に隔離されたのは、約100万年前くらいである。しかし、その頃は氷河期で海水面が今よりも130mも低かったという研究結果がある。最終的に日本が海に囲まれた島国になるのは、氷河期が終わりを告げた約1万年前と、地球の歴史からすればついさっきの出来事である。示準化石とはならないが、恐竜の化石から地球の歴史が見えてくるのは面白い。

『水車の四季』

文・室田武、写真・河野裕昭『水車の四季』(日本評論社 1983)をパラパラと読む。
刊行当時ですら、日本の風景から消えかけていた全国各地の水車の写真と解説である。解説を担当した室田氏は、京都大学理学部物理学科を卒業した変わり種の経済学者で、水車の仕事量の計算に着目している。水車の機能は様々で、ハブが回転する力を利用した製粉や稲の脱穀、籾摺りに活用されている。

後半は水車のエネルギーを活用した発電について詳細に説明している。日本独自の螺旋水車を活用した発電など、現在活用が進んでいる小水力発電とほぼ同じ議論が述べられている。著者の視点の鋭さに驚かされる。