日別アーカイブ: 2021年7月5日

「独 難民へワクチン着々」

本日の東京新聞朝刊より。
ドイツは人口が8300万人おり、その約2%にあたる190万人を難民として受け入れている。UNHCRの資料によると、ドイツはシリア、イラク、アフガニスタン、エリトリア、イラン、トルコ、ソマリア、セルビア、コソボ、ロシア、パキスタンの国々から難民を受け入れており、欧州では断トツで多い。国境を接するからの避難民を受け入れている国はトルコやパキスタン、レバノン、ウガンダなど数多くあるが、遠方の国から政府の予算を用いて難民を支援する国は、他にフランスとアメリカを数えるだけである。

記事は ちょっと美談調で、国内の難民受け入れへの反発や、これまでのメルケル首相の政策への支持の低下などにふれられていない。ただ、記事の最後の「ドイツは身一つで来た人たちにワクチンを提供してくれる。彼らが社会の一員として受け入れられた気がする」と述べるスタッフの言葉は重い。日本に暮らす皆さんはどう考えますか。

『たけしのグレートジャーニー』

ビートたけし『たけしのグレートジャーニー』(新潮社 2014)を読む。
2008年から2013にかけて雑誌「新潮45」に掲載された11人の学者との対談がまとめられている。冒頭は、アフリカで誕生した人類が南米のチリまで旅立っていった「グレートジャーニー」5万キロの行程を、10年弱の期間を使って自らの腕力と脚力と自分で操れる動物の力だけで遡行した冒険家の関野吉晴氏との対談である。ベーリング海峡を渡る際に風速5メートルから10メートルの偏西風に悩まされたため、「逆ルートは無理があります。やっぱり人類は逆ルートでは移動しないことが、やってみると分かります」とこぼしている。

その他、文化人類学者の西野雅之氏、植物探検家の荻巣樹德氏、ゴリラ研究家の山極寿一氏、シロアリ研究家の松浦健二氏、ウナギ研究家の塚本勝巳氏、辺境生物学者の長沼毅氏、海洋動物学者の佐藤克文氏、ダイオウイカ学者の窪寺恒己氏、奇抜なファッションを纏う火山学者の鎌田浩毅氏、宇宙物理学者の村山斉氏との対談が収められている。変人は東大と京大に多いということが分かる。鎌田氏の著作にはこれからじっくりと向き合っていきたい。