本日の午前中、ふらっと真ん中の子と自転車の乗り心地を試しながら、関宿城へ出かけた。距離はほとんどないが、暑さが堪えた。
月別アーカイブ: 2021年7月
『部活魂!』
岩波書店編集部編『部活魂!』(岩波ジュニア新書 2009)を読む。
岩波書店が「私の学校の部活自慢!」というテーマで、全国から原稿を募集した中から、21の作品が選出され収録されている。合わせて俳優の六角精児さん、長嶋三奈さん、大八木淳史さん、早乙女愛さんが、同じく「部活」に関するエッセーを寄せている。
序文の中で、「夢、努力、熱血、勝負、喜び、涙、挫折、仲間、先輩、後輩、先生、ひたむきさ、悔しさ……、10代のさまざまな思いが込められた『部活魂』です」と述べられているが、100%その趣旨通りの内容となっている。どの作品も部活で成功した生徒が書いているので、よく言えば中高生の汗の結晶だが、悪く言えば、中小企業の社長の成功談を聞かされているような面映さを感じてしまう。
『地図を旅する』
堀淳一『地図を旅する:一枚の地図から広がるロマン』(創隆社 1991)を読む。
久しぶりに時間を忘れて読みふけった。元は1981年に刊行された本なので、共産圏の大縮尺の地図は手に入らないとか、ステレオ写真の作り方など、かなり古い情報も多いが、省略の多い地図からリアルな世界を想像する地図に魅力は、Googleマップやストリートビューが当たり前になった現在でも変わらない。
地図の場合は写真よりも現実とのギャップが大きいだけに、想像力を働かせる余地が大きいのが一つの面白さだし、そのためになおさら好奇心がそそられる、ということもある。時によっては、下手な写真にひきずられるよりは、地図の上で自由に想像力を働かせるほうが、よほど現地の雰囲気にピタリとしたイメージを描けるということも、またあるだろうね。今いったように、大事なのはこまかい事柄よりもむしろ全体的な、漠然と感じられる雰囲気なんだから、地図からの想像のほうがはるかに真実をつくることだってあるわけだ。
(中略)風景の味わいをただ受け身で発見するだけではなく、風景の中にひたりながらそれに積極的に働きかけて、自分なりの心象風景、つまりイメージの世界を創り出すたのしさーこれが旅の醍醐味だとおじさんは思っているんだ。
(中略)風景の中に没入し、それに働きかけて自分なりのイメージの世界を創りだすことは、地図と直接関係ないけれども、先入観念に邪魔されず風景をいわば「手づくり」することのできる場所をさがすためには地図が、そして地図の上でイマジネーションをはばたかせることが必要なのだから、やはり地図が土台になっているわけだ。
「秋田の特産ジュンサイ生産減」
本日の東京新聞朝刊に秋田県三種町の特産であるジュンサイの生産量が減少しているとの記事が掲載されていた。ジュンサイと言われてもピンとこないが、味噌汁や酢の物に使われる具材である。水草なので天候に左右されやすく、栽培が難しいため、中国産の輸入が8割を占め、国内産は2割となっている。その2割の国内産の90%が秋田県で生産されている。
また、秋田県は昨年2020年の国税調査で、県人口96万113人となり、2015 年の前回調査より6.2%(6万3006人)も減少しており、全国トップクラスで人口減少が続いている。農家だけでなく、県全体が高齢化している中で、国産のジュンサイを維持するのは難しそうだ。写真にもあるように、いまだに木製の船で手作業で収穫作業が行われている。
『日本の宇宙科学』
大林辰蔵監修『日本の宇宙科学:1952→2001』(東京書籍 1986)をパラパラと読む。
敗戦後一時期に中断したが、1955年に東大生産技術研究所が全長わずか23センチメートルのペンシルロケット実験を成功させたことを皮切りに、日本のロケット開発は始まっていく。そして、紆余曲折、試行錯誤を経て、日本が本格的に宇宙研究・進出に乗りだし、本書が刊行された1986年、ちょうど筑波万博が開催されていた当時の、太陽光発電衛星やスペースコロニーなどの壮大な計画まで話が進んでいく。