日別アーカイブ: 2014年1月11日

『図解・なぜ起こる? いつ起こる? 地震のメカニズム』

都司嘉宣『図解・なぜ起こる?いつ起こる? 地震のメカニズム』(永岡書店 2009)を読む。
都司氏は現在独立行政法人防災科学技術研究所客員研究員を務める地震学者である。ネットによると、東海・東南海地震が周期的に発生する時期に入っており、千年に1度の超巨大地震が発生する可能性もわずかにあるとし、地形的に津波のエネルギーが集まりやすく津波被害を考えても浜岡は廃炉にすべきと持論を展開しているとのこと。
地震発生のメカニズムについて地球の仕組みから丁寧に解説されている。また、地震予知の現状と限界、防災対策についてもまとめられている。
日本を取り巻く北アメリカプレートとユーラシアプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートの4つのプレートの重なりを頭の中で3Dで理解することができた。また、世界でも地震が頻繁に起こる地域は限られており、イギリスやフランス、ドイツなどのヨーロッパ、アフリカ大陸やオーストラリア、太平洋側を除くアメリカ大陸ではほとんど地震がないという事実も初めて知った。一方、中国やインドネシア、イラン、トルコ、メキシコやチリといったプレート境界線域で大地震は繰り返されている。
現在、国内で需要がないため、安倍政権のお墨付きのもと三菱重工業がトルコに原発輸出を進めているが、あまりに危険と言わざるを得ない。

『3・11クライシス!』

佐藤優『3・11クライシス!』(マガジンハウス 2011)を4分の3程読む。
3・11の報道の検証として手に取ってみた。
元外務官僚の佐藤氏が2011年3月12日から4月8日までの3週間の間にネットや新聞、雑誌に寄稿した文章が時系列順でまとめられている。
しかし、多筆な佐藤氏が短期間にあちこちに書いた文章をただ集めただけなので、ほとんど同じ話が2度3度、4度5度と繰り返され読む気をなくしてしまった。マガジンハウス社サイドの編集(もへったくれもない)の杜撰さが目立つ。いくら緊急出版だからといって、もう少し中身を整えてもらわないと執筆者に失礼であろう。お金をムダにした感でいっぱいである。