本日の東京新聞朝刊に、渋谷区の宮下公園での野宿労働者の閉め出しの記事と、その抗議行動についての記事が掲載されていた。2020年の東京五輪に向けて、「キレイでおしゃれで安全」な東京に合わない風景そのものが消される傾向がますます強くなっていくであろう。五輪が決まった年にこのような記事を掲載する東京新聞の良識に期待したい。
写真真ん中の白いタオルを巻いてトラメガを握っている男性は「大将」だろうか。寒い冬であるが体に気をつけて貰いたい。金銭だけの応援でしかないが、近日中に「のじれん」に寄付をしようと思う。
東京都渋谷区の区立宮下公園で昨年末、年越しのため支援団体とともにテント生活をしていたホームレスが、区から強制的に閉め出された。六日、区に抗議に訪れた支援者からは「福祉の窓口が開いていない年末年始、極寒の中に放り出すのは殺人行為に等しい」と怒りの声が上がった。
閉め出されたのは、区内で野宿者を支援する「渋谷越年・越冬闘争実行委員会」のメンバーとホームレス約二十人。十二月二十九日午後八時半ごろ、区職員から公園閉鎖時間の午後十時半までに荷物をまとめて退去するよう命じられ、翌日未明にかけ警察官に囲まれ、荷物を残したまま追い出された。年末で仕事がなく食べ物が確保できない人や、けがで支援が必要な人など五人が集まっていた。
宮下公園は二〇一一年四月から夜間は施錠されて入ることができないため、通常は野宿者がいないが、役所の窓口が閉まった昨年十二月二十八日から、支援のためのテントを設営していた。閉め出し後、区が一月五日まで宮下公園の閉鎖を決めたため、支援者らは近くの区立神宮通公園に拠点を移し、五日まで炊き出しや医療相談を実施。七日間で延べ百五十人、多いときは一晩で三十人が宿泊し、二千食を配布した。
年越しの場所として、宮下公園を選んだのは高架にあり、人目を避けられるため。実行委の楡原民佳(にれはらたみか)さん(49)は「ホームレスの人たちは襲撃や放火の恐怖と戦いながら生活している。神宮通公園は狭いのでテントを張ると一般の人の邪魔になってしまうし、大通りに面していて好奇の目にさらされるので念頭になかった」と話す。 (小形佳奈)