魚住絹代『女子少年院』(角川Oneテーマ 2003)を読む。
全国に9箇所しかない女子少年院の現状と課題を提示する。12年間の法務教官としての矯正指導の体験から、犯罪を起こしどんなにひねくれた少年でも、真剣に本音で向き合えば、必ず子どもは心を開いてくれるという美談調な教育観が展開されている。徹底した性善説に立った上で、受容的な関わりと教育的な関わりのバランスが少年院教育においても、学校教育においても求められると述べる。しかし、具体的な提言もなく、凡庸な教育論に終わってしまっているのが残念だ。
『女子少年院』
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