中村運『生命進化7つのなぞ』(岩波ジュニア新書 1990)を読む。
生物学入門と名打ってはいるが、光合成や代謝の説明など中高生向けの本とはとても思えないほど専門的な説明に終始している。だが、原始の海に生息したバクテリアから私たち現人類ホモ=サピエンスまで、生命は「種の保存」というプログラムに従って、遺伝子レベルから生活レベルに至るまでその形態を大きく変化させてきたその妙には驚くばかりである。かつて大友克洋監督の『AKIRA』という映画では、生命が進化する根本の力を「AKIRA」と命名して、その莫大な力を人類がコントロールすることの難しさがテーマであった。この本でも著者中村氏は生命進化の頂点に位置する人類こそが生命体系全体に責任を負うべきだと主張している。
『生命進化7つのなぞ』
コメントを残す