聖学院大学での学校図書館司書教諭講習の「読書と豊かな人間性」の講義で課題に指定された本、スティーブン・クラッシェン『読書はパワー』(金の星社1996)を読んだ。
“free voluntary Reading”
クラッシェン氏は語彙レベルや内容にとらわれず、生徒が自由に読みたい本ム漫画本、ティーロマンスを含むーに没頭する「自発的自由読書」を提言している。そして多く読めば読むほど、直接的な国語指導以上に、読解、文体、語彙、綴り、文法の実力がつくことを明らかにしている。またそうした読書環境を支える出版環境、学校設備が豊かさが、読書資料を入手を容易にし、リテラシーはさらに発達することも検証されている。そして楽しい読書こそが更なる読書への興味を沸き立たせる唯一の方法だと述べる。
確かに私自身の経験を鑑みるに指示されて読んだ本ほど印象は薄く、つまらないものであった。むしろ気の赴くままに推理小説、バイクの歴史、古典文学、社会問題、恋愛小説とジャンルを問わず自由に読んた本の方が印象が強い。そして軽い本を読んだという経験がさらに難しい本の関心へとつながっていったことも確かである。教員は教科書に書かれている評価の定まった本を薦めてしまいがちであるが、それ以上に生徒の自由な読書環境を創ることに専念した方がよいことをこの本は教えてくれる。