読書と豊かな人間性レポート
本日の東京新聞の朝刊の特集記事(裏面を参照)を紹介したい。この中で、東京新聞論説委員である塚田博康氏は戦争の反省に立って、そして学習そのものの根幹は読書にあり、読書によって物事を理解し、思考し、議論をすることの大切さを強調している。
確かに「子どもの読書活動の推進に関する法律」の制定に見られるように、学校教育現場では現在読書の意義が強調されている。司書教諭の必置など子どもに読書する機会を増やすための推進体制、広報活動、財政上の措置など確実に進んできている。
しかし、このような文科省による政策はしばしば現場の意向を越えて強制力を持って施行されてきたことを思い返す必要があるのではないか。例えば奉仕活動(ボランティア)の意義を生徒に強調することはいいことであるが、それが一度文科省の政策に乗った途端、内申書への記述事項になり、そして授業の単位に組み込まれ、最後には強制といった経緯をたどってきた。また同様に総合的学習時間や日の丸君が代、強制クラブ活動なども当初の思惑を大きく外れてしまった。
大切なことはまず何よりも現場の責任者である教員が読書を楽しむことではないか。授業も部活動も同様であるが、まず教員が楽しみ、そしてその楽しみを生徒に伝えてみたいという人間としての素直な感動が原点にならなければならない。そうした楽しみのないところで、いくら読書の利点が強調されたところで、真の「人格形成」にはつながらないであろう。
私自身夏休みに入り、2日に1冊は本を読んでおり、今読書の面白さを堪能している。現在は寝る前に田辺聖子訳の源氏物語の世界に浸っており、俗世の煩わしさを少しでも忘れることができる読書の時間が楽しい。2学期に入ったら授業の中で源氏のあわれの世界観に少しでも触れてみたい。