月別アーカイブ: 2021年10月

『目でみる化学』

山本和正・前川悦郎・高瀬福巳・鈴木一孝・岡本弘・吉田高年・中村亮『目でみる化学』(培風館 1985)をパラパラと読む。
大学の教養課程で使われていた教科書で、文系の生徒向けに化学式などはほとんどなく、繊維や調味料、洗剤などの日常品の分子構成が丁寧に説明されている。ただ、授業で用いられている教科書なので、一読しただけでは理解できないであろう。

ボイル=シャルルの法則の説明があったが、地理でも使える内容だったので書き留めておきたい。

気体の体積は、圧力に反比例し、絶対温度に正比例する。
体積(V)=定数(K)×絶対温度(T)/圧力(P)
圧力(P)×体積(V)=定数(K)×絶対温度(T)
したがって、気体の温度を上げると密度が小さくなり、その気体は軽くなる。熱気球はこの原理で空を飛ぶのである。

『相対論の意味』

アインシュタイン著・矢野健太郎訳『相対論の意味』(岩波書店 1958)をパラパラと読む。
アインシュタインの紹介ではなく、アインシュタインの著書そのものなので、数式が続く。積分の∮(インテグラル)が、楽譜のフォルテシモのように連続して登場するので、訳がわからない。
ただ、相対性理論が思いつきで発明されたものではなく、きちんと数式によって証明されたものだということだけは分かった。

「豪の源泉配備 支持6割」

本日の東京新聞の国際面の記事から。
つい見過ごしがちな記事である。オーストラリアが米英の原子力潜水艦を配備することに対する、オーストラリア新聞の世論調査の結果が報じられている。
もともとオーストラリアはフランスと共同で自前の原子力潜水艦の開発を進めていたが、それでは間に合わないので、米英製の原子力潜水艦を導入することになったということである。

いきなり原子力潜水艦と言われても、ピンとこない人が大半である。かくいう私もそうである。ネットの情報を調べたところ、原子力潜水艦は核分裂エネルギーを動力源とするため、大気と絶縁した長時間航行が可能で、燃料消費量がきわめて少なく、1回の燃料装入で数年間航行を維持しうる大出力を出せるとのことである。

こうした記事の背景に、米英による中国封じ込め政策を指摘しておきたい。「一体一路経済圏構想」を押し進める中国は、南シナ海やインド洋で覇権を握り、欧州やアフリカの市場を牛耳りたいとの思惑がある。一方、米国や英国、インド、日本の4カ国は、オーストラリアを巻き込んで、中国の拡大を抑えたいとの戦略がある。バイデン大統領が執拗に香港や台湾、新疆ウイグル自治区での人権問題を持ち出すのも、こうした戦略に沿ったものである。

しかし、オーストラリア国内には多くの中国籍の人たちがおり、中国との貿易がオーストラリア経済を支えてきたと言っても過言ではない。オーストラリアにとって中国を敵に回すということは、自国の経済基盤が崩されるということと同義である。

そうした背景を踏まえて考察していくと、オーストラリアの米英の原子力潜水艦の配備の是非は、オーストラリアの政治経済に大きな影響を及ぼす問題であるということが分かる。米英豪で作る安全保障の「AUKUS」が、オーストラリアの経済に致命的な打撃を与える決定打となるおそれもあるのだ。

3学期の授業の中で、オーストラリアを巡る諸事情について補足したい。

『天平のひびき』

岸部成雄『天平のひびき』(音楽之友社 1984)をパラパラと読む。
音楽之友社という音楽系の出版社から刊行された本で、正倉院に保存されている琵琶や琴、鼓などの和楽器の特集となっている。日本古来の歴史というよりも、中央アジアの文化が色濃く滲み出た楽器が写真入りで紹介されている。

流山サイクリング

真ん中の子と流山までサイクリングに出掛けた。
新しくオープンしたスペシャライズドおおたかの森店で、S-Works Tarmac SL7 – Dura Ace Di2を試乗した。まんまTour de France仕様の1級品である。150万円の自転車で倒しやしないかと緊張したが、その軽さたるや。