池田理代子・宮城まり子・石垣綾子ほか『私の少女時代』(岩波ジュニア新書 1979)をパラパラと読む。
代表著者3名の他、今井通子さん、黒沼ユリ子さん、増井光子さん、中川李枝子さん、林京子さん、土井たか子さん、石井ふく子さん、籾山政子さん、丸木俊さん、沢村貞子さんの計13名の女性が、戦前戦後の不遇な女性という境遇やガラス天井を打ち破って、夢や目標を実現してきた過去半生を語る。
特に疾病と気候や地理の関係を研究した籾山政子さんの文章が印象に残った。「女性のくせに生意気な」という旧態な風潮が残る学会の中で、さらに「地理好き」というマイナーな路線を突っ走ってきたきっかけが、立正大学の地理学講習会であったそうだ。かつて高等師範部を設けていた立正大学の歴史を感じた。