本日の東京新聞朝刊に、中国の少子化が急激に進んでいるとの報道が掲載されていた。
授業の中でも、1979年から2014年まで実施され、一組の夫婦につき子供は1人とし、2人目以降産んだ場合は罰金刑などが課せられる「一人っ子政策」について扱った。2014年に廃止以降も出生率は上がらず、昨年の中国の合計特殊出生率は日本を下回る1.30であった。
中国や韓国の少子化の分析や対策は、日本にとって参考になるところが多い。記事の中でも、とりわけ教育費の負担が少子化の要因になっているとのこと。日本では子どもの医療費や高校の授業料の無償化、児童手当などの拡充が進み、急激な出生率の低下は生じていない。ただし、人口の増加にまでは至らず、2008年より10数年連続して人口が減少している。
来年度から現代社会という授業がなくなり、人口問題や少子高齢化、エネルギーや環境などについては、1年生の必修科目である地理総合で扱うこととなる。これまでの地理の授業では、各国の人口や国民総所得などは扱っても、人口減少の要因や解決策について突っ込んで説明したり、話し合ったりすることはなかった。しかし、来年度以降は、東アジアや北欧、アフリカなどの人口政策を比較しながら、日本の少子化について正面から取り上げていかなくてはならない。
人口問題は、記事で中国の国家戦略に絡んでくるように、国家、国民、民族という極めて大きな政治問題である。一方で、一人の人間として恋愛し、結婚し、妊娠するというプライベートな部分に絡んでくるナイーブな側面を持っている。なかなか授業で踏み込むのは難しいなと感じてしまう。