本日の東京新聞夕刊より。
小笠原諸島・硫黄島の南50kmの「福徳岡ノ場」で火山島が形成されつつあるとの記事があった。
火山島の特徴は玄武岩という黒い火山岩石で作られるので、写真でも分かりやすい。ちなみに玄武岩の「玄」という字は「玄人(くろうと)」という言葉でも分かるように、元々黒色、転じて奥深いという意味を表す漢字である。
では、どうして火山ができるのかというと、言葉よりも教科書の図が分かりやすい。火山は地球上どこにでもできるものではなく、大半は、下図のように重い海洋プレートが軽い大陸プレートの下に沈み込む海溝から、100〜150kmほどの深部で、海洋プレートが熱で溶けて上昇することで発生する。そのため火山は海溝から100kmほど離れて、海溝に並行な位置に形成される。これを火山前線という。
次に、同じく教科書の図を紹介したい。太平洋プレートがフィリピン海プレートの下に潜り込む伊豆・小笠原海溝から100kmほど西側の火山前線上に、先ほどの「福徳岡ノ場」がぴったりと位置することが分かる。見比べてみてほしい。伊豆諸島や小笠原諸島もすべて狭まる境界が生んだ火山島である。
また、静岡県・伊豆半島も2000万年ほど前に海洋上に誕生した火山島であった。それがプレートの動きによって本州にぶつかって半島になったものである。地球の動きを感じるよね。