江川達也『“全身漫画”家』(光文社新書 2002)を読む。
『東京大学物語』や『まじかる☆タルるートくん』などの漫画で知られる江川達也氏が、自身の作品に込めたテーマや展開の妙について赤裸々に語る。執筆・構成は他者の手によるものだが、常に読者の予想を裏切り、少年誌でありながら人間の最も根源的な営みであるセックスに向き合おうとする真摯な姿勢が伝わってきた。
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東京新聞国際面から
今日の東京新聞国際面に、イスラエルにあるカタール拠点の衛星放送アルジャジーラのエルサレム支局を閉鎖し、放送を遮断するとの記事が掲載されていた。カタールと断交し、アルジャジーラを敵視するサウジアラビアなど中東4カ国の動きに加担した形となっている。イスラエルのカラ通信相は会見で、アルジャジーラがテロ組織を支援しているとし、「治安強化と、イスラエルに拠点を置くテレビ局が公平な報道を行う状況にする」のを目的とした措置だと主張している。
これに対し、法的手続きや外国人記者の反発もあるようだが、私はサウジアラビア、UAE、バーレーン、エジプトの4カ国とカタールが6月から国交断絶となっている事実を初めて知った。そもそもカタールという国について、「ドーハの悲劇」という言葉以外何も知らなかった。外務省のホームページを見たところ、秋田県くらいの面積で人口は200万人あまり、日本にとって原油やLNGの主要供給国であり、緊密な関係を維持している国であるとのこと。そのカタールがイランに後押しされたテロ組織を国家的に支援していると、アラブ諸国の反発を食らっている。
一体この事件をどのように解釈すれば良いのだろう。サウジとイランのいつもの対立だろと切り捨ててしまってよいのか。カタールと友好関係にある米国が裏でてぐすを引いているのか。ロシアが一枚噛んでいるのか。
『巨人 出口王仁三郎』
出口京太郎『巨人 出口王仁三郎』(講談社文庫 1975)を少しだけ読む。
大本教を大成した出口王仁三郎の生涯を描く。宗教家というよりも、時代の雰囲気に流されない不思議な世界観を持った人物である。
合気道の植芝盛平らとモンゴルを遠征したり、わずか半月ほどで3600首の和歌で覚えるエスペラント語辞典を作ってみたり、解説上田正昭京都大教授が評するように、まさに「巨人」である。
庄和町をポタリング
『マウンテンバイク シティ・ライディング』
山本修二構成・文『マウンテンバイク シティ・ライディング』(小学館 1999)を読む。
マウンテンバイク関連ではかなり古い本であり、都心の歩道の走り抜け方やワンボッスカーのドアを軽く叩いて自分の存在を知らせる方法など、現在では首を傾げてしまうような裏技も紹介されている。
紹介されているマウンテンバイクの全てが26インチのVブレーキというのも時代を感じる。
たかが二十年弱前の話なのに、パーツだけでなく乗り方含めて古めかしく感じるほど、マウンテンバイクの進化が早いという証左でもある。