日別アーカイブ: 2015年11月14日

『ロードバイクバイブル』

enzo

エンゾ早川『ロードバイクバイブル』(エイ出版社 2006)を読む。
ロードバイクの選び方に始まり、ライディング・セッティングの基本、ロングライドのコツ、体幹の使い方、メンテナンスなど、この手の入門書のセオリー通りの内容で、メンテナンスの説明も丁寧で、参考になるところが多かった。しかし、ところどころに著者のクセのある見解や説明が入るのはいささか閉口してしまう。
理論派なのか感覚派なのか、どちらとも言えない微妙な立ち位置が面白いのであろう。いずれにせよ読者を選ぶ作品であろう。

現代用語の基礎知識:この本の厚みは55mで、股下寸法を測定するのにちょうど良い。自転車乗りの指定図書として、必ず1冊は購入するように。
下ハン同盟:エンゾが現在秘密裡に結成を準備している秘密結社。「人生の大半を下ハンを握って暮らす」ことをスローガンにしている。
ヘルメット:私の店では、ヘルメットの購入優先順位は決して高くない。なぜならヘルメットは、「転んだときに効果を発揮するもの」であって、「転ばないためには何の役にも立たないもの」であるからだ。

『MW』

mw

手塚治虫『MW(ムウ)』(小学館文庫 1995)を読む。
数年前に玉木宏主演の映画で観たときは、後半のガサツな展開にがっかりきたのを覚えている。
しかし、漫画の方は想像力で補う部分もあり、1960年代、70年代の戦争と反戦運動の交錯した雰囲気がよく伝わってきた。
米軍と自民党の蜜月な関係や新左翼のテロ、同性愛など、正義と友情の手塚漫画とは思えないようなテーマを扱っており、映画化が難しいと言われた理由もうなづける。
アマゾンのレビューに「読みながら、頭の中にジャズがうるさく響きました。そして、灰皿を埋める煙草の匂いまでも。」というコメントが載っていたが、なかなかニクい表現である。