橘木俊詔『早稲田と慶応:名門私大の栄光と影』(講談社現代新書 2008)を読む。
私立大学を代表する早稲田大学と慶応大学の成り立ちや創設者の比較、慶応式一貫教育に代表される階層固定化、早稲田大学のマスプロ教育、拡大路線の功罪などを取り上げながら、日本の私立大学の行き先を占う内容となっている。
また、いまだに旧帝国大学よりも下位に見られる私立大学が、創立者が志したように国家や圧力や規制を跳ね返し、学問・研究水準を向上させ、真に新しい方向性を打ち出すことができれば、米国の名門大学に肩を並べる超名門校に仲間入りができるだろうとまとめている。