手塚治虫『MW(ムウ)』(小学館文庫 1995)を読む。
数年前に玉木宏主演の映画で観たときは、後半のガサツな展開にがっかりきたのを覚えている。
しかし、漫画の方は想像力で補う部分もあり、1960年代、70年代の戦争と反戦運動の交錯した雰囲気がよく伝わってきた。
米軍と自民党の蜜月な関係や新左翼のテロ、同性愛など、正義と友情の手塚漫画とは思えないようなテーマを扱っており、映画化が難しいと言われた理由もうなづける。
アマゾンのレビューに「読みながら、頭の中にジャズがうるさく響きました。そして、灰皿を埋める煙草の匂いまでも。」というコメントが載っていたが、なかなかニクい表現である。
『MW』
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