香山リカ『自転車旅行主義:真夜中の精神医学』(ちくま文庫 1998)を数ページだけ読む。
タイトルの通り自転車で各地を走り抜ける旅行記だと思い手にとってみた。
しかし、自転車についての記述は一切なく、可能世界意味論という哲学の小難しい話が延々と続いていく。筆者の言う「自転車」とは、夜勤の当直の間、頭の中の分析哲学の世界を駆け回るための移動と速度の手段であり、メタファーとしての思考のエンジンであった。
頭の悪い私にとって苦手な分野であり、また自転車についての「即物」的なハウツー的内容を期待していた分だけ、期待外れな内容であった。
『自転車旅行主義』
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