月別アーカイブ: 2014年7月

『相手を納得させる最強のプレゼン&交渉術』

日本世相調査研究会編『相手を納得させる最強のプレゼン&交渉術:知らずに相手を自分のペースに巻き込む技術』(日本文芸社 2006)を読む。
まだ、パワーポイントによるプレゼンが現在程普及する前に発行された本であり、具体的なプレゼンのノウハウというよりも、事前準備や身だしなみ、相手を引きつける工夫など、一般的な営業活動や交渉に臨むビジネスマンの基本的な参考書という趣の本である。
プレゼンも普段の授業も、工夫や熱意、時には本音部分を上手く「使い分け」ながら、相手に納得・理解してもらうというプロセスは同じだということに気付いた。

『ブラックホーク・ダウン』

地上波で放映された、リドリー・スコット監督、ジョシュ・ハートネット、ユアン・マクレガー主演『ブラックホーク・ダウン(Black Hawk Down)』(2001 米)を観た。
1993年、ソマリアの内戦に介入した米軍を中心とする多国籍軍とアイディード将軍率いるゲリラとの苛烈な市街戦が展開された「モガディシュの戦闘」を忠実に描いている。1000名を越えるソマリア人と19名のアメリカ兵が命を落とし、2機のヘリ(ブラックホーク)が撃墜され、後にアメリカがソマリアから撤退するきっかけとなった戦闘である。
実際の上映よりも1時間近くカットされていたのであれこれ論評するのは難しいが、映画の解釈は一様ではなく、ドキュメンタリー作品と観るか、戦争の無意味さを描いた社会派作品と観るか、ハリウッド目線の米軍礼賛映画と観るか、人によって大きく評価の分かれる作品であろう。
ただし、その後のソマリアの政情を鑑みるに、得をしたのは武器商売の会社だけだという悲しい歴史の考察の一助にはなるであろう。

『乱読パラダイス』

香山リカ『乱読パラダイス』(筑摩書房 1995)を十数ページだけ読む。
昨日読んだ齋藤孝著『10分あれば書店に行きなさい』の中に、まえがきやあとがき、解説なども本を選ぶ指標になるという話があったので、結構長い間本棚に眠っていた本を引っ張りだしてきた。
筆者自身が「あちこちの雑誌・新聞の書評、または文庫本や単行本の解説として書いたものをまとめることにより出来上がりました。ずいぶん昔のものもあるし、一篇の長短の文章も統一されていないのですが、“パラダイスに法則は不要”とそのまま詰め込みました」と述べるように、書評や解説だけが延々と並んでいるだけの本である。対象の本の紹介もほとんどなく、ひたすら著者の感想に付き合わされる代物である。
精神科医である香山さんは文章も大変上手い人なので、編集サイドの手抜き感溢れる内容であった。

『10分あれば書店に行きなさい』

教育学者・齋藤孝『10分あれば書店に行きなさい』(メディアファクトリー新書 2012)を一気に読む。
先ほど読んだ本で脳が活性化されたのか、新書1冊1時間弱で読み終えることができた。
10年前はこれくらいのペースで、毎日本を読んでいたのに。。。

タイトルにある通り、知性や精神力を学ぶために書店を活用せよという内容である。本をきっちり読む時間や余裕がなくても、実際に書店に立ち寄り、立ち読みやタイトルを眺めるだけでも知的好奇心が刺激される。齋藤氏は、特に今や出版社にとって主戦場となっている新書や、様々なジャンルに溢れている雑誌を手に取ってみると、会話のネタの引き出しが豊富になり、知性や時代感覚が磨かれると述べる。

この手の読書の指南書は1年に1冊くらいは目を通しておきたいと切に思う。不真面目・不勉強にも関わらず、いつまでも背伸びしたがる私にとって、効果抜群のカンフル剤である。

『本は10冊同時に読め!』

成毛眞『本は10冊同時に読め!:生き方に差がつく「超並列」読書術』(三笠書房 2008)を読む。
一生下働きの「庶民」生活を脱し、人生の成功を手に入れるためには、ベストセラーやハウツー本ではなく、徹底した濫読が必要だと繰り返し繰り返し説く。テレビを見ている暇があれば、通勤電車で体力を消耗するのであれば、要らぬ仕事で気疲れするのであれば、給料の半分を使ってでも、毎日タクシーを利用してでも本を読むことが大切だと述べる。自身の経験を絶対化し、読書していない(できない)人びとを見下す発言は気に障ったが、最先端の物理学の本からギャンブル、インドのIT産業、写真集から料理の本まで、いわゆる教養を越えて人間そのものを高めていく読書のススメは感嘆するばかりであった。
ふと我が身を振り返ると、平日はずっと、家に帰ってダラダラとテレビを見てネットに没頭するだけの日々である。自分を高めるための「気晴らし」の時間を大切にしていきたい。