3年ほど前に地上波で放映された、梨木香歩原作、長崎俊一監督『西の魔女が死んだ』(2008 アスミック・エース)を観た。
女の子のグループ同士の付き合いに神経をすり減らした少女が、大自然のおばあちゃんの家で自分を見つめ直し、生きる力を得るという、いかにも文科省お墨付きの少年少女文学賞を受賞しそうな内容である。
しかし、おそらくは原作の持つ心理描写の機微を無理矢理映像で表現しようとしたために、自然描写や田舎の生活純朴な映像が、かえって制作者の意図で塗りつぶされつまらないものとして目に映ってしまう。
想像を制限されてしまう映画よりも、原作で読んだ方が楽しめた作品であろう。
『西の魔女が死んだ』
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