西村京太郎『伊勢路殺人事件』(徳間文庫 2010)を読む。
来月に伊勢・熊野へのドライブ旅を予定しているので、伊勢神宮や熊野大社に関係する本をたくさん購入した。その中の1冊である。
おなじみの十津川警部と亀井警部のコンビシリーズである。今年2013年に予定されている伊勢神宮の式年遷宮への寄付金にまつわる殺人事件ミステリーである。西村氏の作品の特徴なのか、現場捜査や聞き込みで棚からぼた餅のごとく、都合良く情報や手がかりが出てきて、そこから気ままに推測した通りに物語が進行していってしまう。ちょうど20年以上前のファミコン時代の「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンジー」などのロールプレイングゲームで遊んでいるような感覚である。そして、あれよあれよという間に、事件が解決してしまう。テンポが良いといった方がいいのか、ご都合主義といっていいのか。
ちょうど今日の東京新聞夕刊に式年遷宮の関連行事である「お白石持(しらいしもち)行事」の記事が掲載されたばかりであったので、作品の現実感を味わうことができた。また、読みながらスマホのグーグルマップで内宮の位置を確認できたり、式年遷宮についての簡単な情報が得られたりしたので面白かった。
『伊勢路殺人事件』
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