第1回日本ファンタジーノベル大賞受賞作、酒見賢一『後宮小説』(1989 新潮社)を読む。
中国を舞台とした全くのファンタジーなのだが、歴史書を元にして作者と一緒にドラマの世界を漫遊するという形をとっており、歴史冒険小説を読んでいるようなワクワク感があった。一応物語の中では、1600年代前半という記述があるので、明末の李自成の乱を元にしたのかとも思ったが、唐の時代の安史の乱にも近いし、辛亥革命を思わせるようなところもあり、不思議な雰囲気の小説であった。
『後宮小説』
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