具本韓『二重スパイ』(新潮文庫 2003)を読む。
十年以上前に観た同名の映画の原案である。ちょうど先日観た『シルミド』が金日成暗殺計画を遂行する「北派工作員」の話であったが、この『二重スパイ』は、その逆にあたる北朝鮮軍所属の「南派工作員」が主人公の物語である。映画の内容はすっかり忘れており、最後まで楽しむことができた。
北からも南からも追われる二重逃亡者を通して、当時の(そして今も続く)「先鋭なまでに対峙するイデオロギー」(本文より)の存在を感じることができた。
『二重スパイ』
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