松尾佳津子『古文を楽しく読んでみる』(ペレ出版 2008)をパラパラと読む。
著者は京都大学大学院の国文科博士課程を経て、河合塾の古文講師を務めている。本書の源氏物語以外の作品を扱った受験問題を解きながら、古文のもつ魅力について丁寧に語っている。
おそらく国語の教員時代に読むと、興味津々だったのであろうが、公民の免許を取るレポートに追われている現在では、頭に入ってこなかった。
冒頭の問題は昭和39年の防衛大学の問題である。読点や句点、濁点もない文から、会話文の終わりを聞いたり、濁点を施して読む語を聞いたりと、現在ではマニアックな問題となっている。予備校時代に代ゼミの土屋先生から習った古文の読み方を思い出した。古典の物語は、出版技術も無かった当時の最高峰の文章なので、細かい単語や言い回しから、当時の文化が垣間見えるというのが筆者の主張である。