本日の東京新聞夕刊に、およそブドウの生育環境にそぐわない奈良盆地でブドウ栽培、ワインの製造が行われているという記事が掲載されていた。ブドウは夏に乾燥する地中海性気候がよいとされている。ブドウ自身が乾燥から身を守るために、たっぷりと実に水分を蓄えるからだ。地中海性気候は地中海周辺のスペイン、フランス、イタリア、トルコだけでなく、南アフリカやオーストラリア、チリ、アメリカ西海岸など、世界各地に見られる。そうした地域でワインの生産量が多い。日本では降水量が少ない内陸の山梨県で第1位、長野県で第2位の生産量となっている。
記事にある奈良は内陸ではあるが、海が近く、夏の降水量も多い。記事にも湿気を嫌うブドウの栽培は簡単ではないとある。そのため、収穫量こそ少ないが、そのぶん酸味が穏やかな味わい深いブドウが収穫されるという。
品種改良や灌漑によって変わりつつあるが、農業は気候と大きな関係がある。地理総合の授業の中で、そうした点について突き詰めていきたい。