高橋裕子『禁煙外来の子どもたち』(東京書籍,2002)をパラパラと読む。
著者は京都大学医学部・同大学院を卒業後、大和高田市立病院で禁煙外来を開設し、奈良女子大学で禁煙治療・教育を担当されている。
本書も前半は医者としての禁煙外来を訪れる未成年の治療に関する話で、後半は近隣の学校での禁煙教育の実践や、授業展開のヒントなどが掲載されている。
タバコが日本に到来したのは、慶長年間(1600年ごろ)だといわれ、以後400年、喫煙は体に良いとも悪いとも言われながら、社会に定着していった。日露戦争時軍事費調達の手段としてタバコ販売が国営事業化されて以来、タバコによる税収は国家財政の10%近くを占める財源となり、成人男性ならばタバコを吸うという時代が1960年ごろまで続いた。