月別アーカイブ: 2021年6月

『熱帯林ってなんだ』

馬橋憲男『熱帯林ってなんだ:開発・環境と人びとのくらし』(築地書館 1991)を読む。
実際にカリマンタン島で暮らす現地のロングハウスを訪れ、持続可能な焼畑農業と土地が荒廃していくだけの焼き畑農業の違いや、都会に憧れ、共同生活を営む田舎暮らしを嫌う若者など関するルポルタージュとなっている。
また、現在の「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」に繋がるような提言もあった。

平和、開発、人権、それに環境の問題はたがいに密接にむすびついています。これらのうちのいずれかの問題の海瀬をはかるにも、他の問題をも同時に配慮しなければなりません。これは「学際的アプローチ」と呼ばれます。

「出生数最少に」

本日の東京新聞の社説より。
地理の授業や試験で、個別の国の少子化に関する細かい原因や解決策について問われることは少ないが、他国との比較がよく出題されるので、簡単に触れておきたい。2020年の日本の出生数は840,832人で、合計特殊出生率は1.34となっている。1.30中国も同様の傾向を示している。韓国は同0.84となっており、極めて深刻な状況である。
先進国全般、出生率は低いが、1.8近い出生率を維持するアメリカやフランスといった国もある。また、逆にアフリカでは人口爆発が続いており、ナイジェリアでは5.2という数値になっている。こうした背景について、授業の中で一緒に考えていきたい。

『機関車先生』

伊集院静『機関車先生』(集英社文庫 2003)を少しだけ読む。
1994年に講談社から刊行された本である。私の記憶が正しければ、講談社が発行していた文庫本雑誌「IN★POCKET」に連載されていた小説である。確か、高校3年生の頃に読んでいたのであろうか。集英社文庫版は小学生でも読めるようにふりがながふってあって読みにくかった。

舞台は、作家伊集院静氏の出身地である、山口県防府市の沖合に浮かぶ野島という人口80数人の小さな島の小学校である。島の方が気になって調べたところ、築47年の4DKの一戸建てが150万円で売りに出されていた。そこで暮らす自分を少し思い浮かべた。

「米副大統領 外遊デビュー」

本日の東京新聞朝刊に、米国の女性初のハリス副大統領の外遊先での会見内容掲載されていた。記事によると、ハリス副大統領はグアテマラを訪れ、隣国のエルサルバドルやホンジュラスを含めた中米諸国からメキシコを経由して、米国の国境を訃不法に越える移民に対し、懸念を示したとのこと。メキシコ以南の中南米諸国はブラジル(と極一部の国)を除いて、全てスペイン語が共通語となっている。また、米国西部のカリフォルニア州民の3割が近くがスペイン語を話しており、選挙公報、確定申告など公的文書にもスペイン語が併記されている。やはり、言語の壁がないという点が、移民を促す要素となっている点に着目しておきたい。

その上で、米国民主党政権には、政治的な壁を作るのではなく、中米を含めた互恵的な貿易体制の確立という難題に向かってほしい。