月別アーカイブ: 2021年6月

「北朝鮮 党規約改定内容が判明」

本日の東京新聞朝刊記事より。
久しぶりの北朝鮮に関する報道である。この10年ほど、北朝鮮労働党総書記の金正恩は、創始者金日成(1948〜)、続く金正日(1997〜)と、2代続く祖父と父の権威を笠に着ることで威光を保ってきた。しかし、今後は先代までが築いてきた軍事優先政治の看板を下ろし、「人民大衆第一」の路線を打ち立てるというのだ。風を読むのが上手い北朝鮮政府なので、米中対立の最中、米中どちらとも顔を繫ぐことのできる国としてのソフト路線をポーズしたのであろう。

この北朝鮮の扱いも、地理の授業で毎年のように見直しを迫られる部分である。昨年の今頃は、金正恩の妹の金与正の強行姿勢が目立ち、米国トランプ大統領が支持を表明するなど、米国サイドによる北朝鮮カードの政治的利用に関する報道が目立っていた。今年は、米欧の関係改善もあり、欧州を味方につけるような北朝鮮外交が

『スポーツシューズの本』

ミズノスポーツシューズ研究会『スポーツシューズの本』(三水社 1993)をパラパラと読む。
スポーツ用品メーカーのミズノの社員による、スポーツシューズ全般の解説本である。足の骨の複雑な構造や地面から受ける反動力の分析、競技別のシューズの特性などが分かりやすく説明されている。足は「第二の心臓」だという点から、血液の循環や発汗など医学の観点も考慮されており、たかがシューズ、されどシューズといった感想だ。

『洋食器ベストカタログ』

テーブルウェア愛好会『洋食器ベストカタログ』(ナツメ社 1999)をパラパラと眺める。
タイトルそのまま、ディナープレートやサラダプレートをはじめ、さまざまな洋食器がブランド名と商品名、値段とともに綺麗な写真で紹介されている。アイスを掬うちっちゃいスプーンで1本1万円など、田中康夫氏の小説『なんとなく、クリスタル』を彷彿とさせるような内容である。「花より団子」「花の下より鼻の下」な自分にとっては、ほとんど興味のわかない内容であった。

ただし、誰しもが知っているイギリスのウェッジウッドやフランスのバカラ、ドイツのマイセンといったブランドでも歴史は浅く、せいぜい18世紀の前半、大半が19世紀になってからの創業である。その背景には、産業革命で力を付けたヨーロッパ諸国が、当時の中国から輸入した陶磁器を分析・改良した歴史がうかがわれる。ガラスはローマから中国へと渡っていったが、陶磁器はアヘンと引き換えに中国からヨーロッパに輸出されていった世界史の一幕が垣間見える。

「G7声明『台湾』明記」

本日の東京新聞夕刊より。
昨日閉幕したG7サミットの首脳声明の中で、「台湾海峡の平和と安定の重要性」が明記されたとのこと。中国の福建省と台湾島の間を台湾海峡と言うが、これまで世界各国は中国に配慮して「台湾海峡」という名称の使用を避けてきた経緯がある。しかし、今回のG7の声明では、緊張関係になる中国と台湾の間に位置する台湾海峡といったニュアンスで用いられている。皆さんが使っている帝国書院の地図帳で「台湾」を確認してください。国名は赤字で表記されていますが、台湾は赤字となっておりません。台湾海峡とあえて明記することは、中国と台湾は別の国だと遠まわしに指摘していることに相違ない。

私たち日本人の感覚に即してみると、「日本と北海道の間の津軽海峡の安全」や「日本と九州を隔てる関門海峡の安定」と表現されれば、「おや?」と思うであろう。G7がわざわざ「台湾海峡」と明記することの政治的意図が読み取れるであろうか。

「周庭氏 沈黙の出所」

本日の東京新聞朝刊記事より。
香港の学生運動、民主化運動の象徴だった周庭さんが、反政府デモを扇動した罪で禁錮10か月の実兄判決を受け収監されていたが、昨日朝、出所したとの記事が掲載されていた。半年以上も刑務所にいたので、まずは心身ともにゆっくりと休んでほしい。また、日本を含む欧米メディアも、彼女を利用するのはやめて頂きたい。そして、問題の根源である中国政府の姿勢に真摯にぶつかってほしい。