月別アーカイブ: 2021年2月

「国内最古級の哺乳類化石発見」

本日の東京新聞夕刊より。
記事によると、福井県の約1億2700万年前の地層からネズミほどの大きさの哺乳類の化石が見つかったとのこと。約2億5000万年前から6500万年前の中世代(三畳紀、ジュラ紀、白亜紀)は爬虫類、とりわけ恐竜が地球上を謳歌した時代である。大型の草食恐竜や獰猛な肉食恐竜が主役だった白亜紀に、哺乳類はひっそりと進化を遂げていた。そして、約6500万年前にメキシコ・ユカタン半島に約10〜15キロほどの隕石が衝突し、地球生物の75%が死滅するという大惨事の後、気候も大きく変動し、哺乳類を中心とした恒温動物だけが生き残り、進化を続けていくことになる。「ドラえもん」風に言えば、今回発見された哺乳類の化石は、我々人類の祖先であった可能性もある。

『宇宙人はいるだろうか』

水谷仁『宇宙人はいるだろうか:地球外文明の可能性』(岩波ジュニア新書 1986)を読む。地球の生命の進化と宇宙のスケールの大きさをバランスよく説明している。その中で著者は、約1000億個の星が集まる私たちのいる銀河の中で、地球と同様の文明を持つ星が3〜10個くらいあるのではと結論付ける。

宇宙だけでなく、地球の46億年の歴史も分かりやすくまとめられており、興味深く読むことができた。とりわけ、原子生命の誕生を再現したユーレー・ミラーの実験の様子が面白かった。原子地球と同じ大気組成であるメタンとアンモニアと水素を含んだ容器のなかに水蒸気を循環させて、そのなかで雷のような放電を起こすという実験である。約8日間放電を続けたところ、ビーカーの周辺に色々なアミノ酸や複雑な有機物が出来ていたというのだ。メタンやアンモニア、水素、水蒸気に雷や紫外線などのエネルギーを加えると、生物のもととなる有機物が作られることが証明されたというものだ。うん。面白い。

ワクチン調達 中ロに傾斜」

本日の東京新聞朝刊より。
東欧バルカン諸国で中国やロシア製の新型コロナウイルスワクチンで出回り、新たな政治紛争の火種となりそうだという内容である。ちょうど授業の中で、第一次世界大戦の契機となったサライェヴォ事件を扱っているところであり、その類似性にびっくりした。

記事によると、チェコやセルビア、モンテネグロなどのスラヴ系国家で中国・ロシア製ワクチンの調達が始まっているという。おまけにロシア製のワクチンの名前が「スプートニク」だという。「スプートニク」という名称は、ロシア語で衛星という意味であり、第2次世界大戦後の米ロの宇宙開発競争を激化させた「スプートニク・ショック」で知られる。ドイツを盟主とするEUの枠組みと、ロシアも加わる中国の一帯一路経済圏構想が、ちょうどバルカン半島のセルビア周辺で衝突する。

『尾瀬ハイキング』

蜂谷緑『尾瀬ハイキング:花・鳥・道』(岩波ジュニア新書 1984)を読む。
タイトル通り、尾瀬ハイキングの入門書である。30年以上前の本であるが、尾瀬の風景は変わらないので、想像しながら楽しむことができた。

「サンゴ礁 今世紀で消失も」

本日の東京新聞夕刊記事より。
国連環境計画(UNEP)のまとめによると、海水温の上昇により、今世紀末にも地球上のサンゴ礁が死滅するという内容である。オーストラリアのグレートバリアリーフなど、サンゴ礁は豊かな生態系ピラミッドのベースを担っている。記事によると、パリ協定で定めた地球温暖化防止策が順調にいったとしても、サンゴ礁の白化を止めることはできないという。