水谷仁『宇宙人はいるだろうか:地球外文明の可能性』(岩波ジュニア新書 1986)を読む。地球の生命の進化と宇宙のスケールの大きさをバランスよく説明している。その中で著者は、約1000億個の星が集まる私たちのいる銀河の中で、地球と同様の文明を持つ星が3〜10個くらいあるのではと結論付ける。
宇宙だけでなく、地球の46億年の歴史も分かりやすくまとめられており、興味深く読むことができた。とりわけ、原子生命の誕生を再現したユーレー・ミラーの実験の様子が面白かった。原子地球と同じ大気組成であるメタンとアンモニアと水素を含んだ容器のなかに水蒸気を循環させて、そのなかで雷のような放電を起こすという実験である。約8日間放電を続けたところ、ビーカーの周辺に色々なアミノ酸や複雑な有機物が出来ていたというのだ。メタンやアンモニア、水素、水蒸気に雷や紫外線などのエネルギーを加えると、生物のもととなる有機物が作られることが証明されたというものだ。うん。面白い。