内田康夫『還らざる道』(文春文庫 2014)を読む。
2006年に刊行された単行本の文庫化である。
愛知県足助町や岐阜県加子母村、岡山県木之子町など、あまり一般的ではない村や町が舞台となった旅情ミステリーである。久しぶりの浅見光彦作品であり、張り詰めた気分が少し解れたように感じた。森林の中を自転車で走ってみたくなった。
物語のヒロインが大学少林寺拳法部の出身で、裏拳や金的蹴で暴漢を倒すシーンがあった。作者の内田氏にどのような意図があったのであろうか。
内田康夫『還らざる道』(文春文庫 2014)を読む。
2006年に刊行された単行本の文庫化である。
愛知県足助町や岐阜県加子母村、岡山県木之子町など、あまり一般的ではない村や町が舞台となった旅情ミステリーである。久しぶりの浅見光彦作品であり、張り詰めた気分が少し解れたように感じた。森林の中を自転車で走ってみたくなった。
物語のヒロインが大学少林寺拳法部の出身で、裏拳や金的蹴で暴漢を倒すシーンがあった。作者の内田氏にどのような意図があったのであろうか。
本日の東京新聞朝刊の社説に、石炭火力発電輸出に疑問を投げかける社説が掲載されていた。環境面だけを考えれば、石炭発電よりも環境負荷の小さい天然ガス発電や再生可能エネルギーにシフトせよという主張は十分に理解できる。しかし、東南アジアやアフリカの後発発展途上国の現状を考えると、石炭火力も選択肢の一つに組み入れざるを得ないのではないかと思う。
少し解説を加えてみたい。中東やロシア、北アフリカや南米の一部といった産出地域が限られ、供給が不安定な天然ガスに比べ、石炭は広範な地域で産出され、地政学的なリスクが低い。そのため、2018年度の日本の石炭火力の発電量は全体の32%程度に上る。液化天然ガス(LNG)火力の38%程度に次ぐ規模となっている。
そうした中で、今月2日に、日本政府は二酸化炭素を多く排出する非効率な石炭火力発電所を2030年度までに段階的に休廃止すると発表した。なかなかの英断だと評価する向きもあったが、高効率の石炭発電所の新設や、石炭発電の輸出計画も合わせて発表され、パリ協定を蔑ろにするとの批判も出ている。東京新聞の社説もそうした意見に与したものとなっている。
私も再生可能エネルギーの研究・開発に重きを置き、それまでは天然ガスのコンバインドサイクル発電を活用していくべきであると考える。しかし天然ガスは中国やロシアがしのぎを削って採掘に力を注いでおり、天然ガスに頼るということは、米中、米露の政治対立に巻き込まれやしないかと不安を感じてしまう。北極海や南シナ海の緊張を考慮すると、国際政治や軍事衝突に巻き込まれなくて済む石炭火力を、もうちょっとだけ延命させても良いと思う。
原子力発電の是非も含め、エネルギー問題は3学期の授業の中で、一緒に考えていきたいテーマです。
本日の東京新聞朝刊に、スマホやサーバーを通じて中国に情報や技術が流出されていると、米国政府が中国企業5社の製品やサービスを使う企業を排除すると発表したとの記事が掲載されていた。
地理の授業でも触れたが、ここ数年の米中貿易問題の大きな課題が、この先端技術や特許技術の中国の盗用疑惑である。特に華為技術(ファーウェイ)は、元中国人民解放軍所属の軍事技術関係者が深圳に創業した企業であり、中国公安部や軍との緊密な関係が疑われている。
「一帯一路」経済圏構想に基づき、世界第1位の大国を狙う中国との付き合い方は、国や企業だけでなく、日本人一人ひとりの懸案事項ともなっている。紀末後の授業では東南アジア、南アジアと入っていくが、中国の問題に何度も触れることとなるであろう。