本日の東京新聞朝刊に、中国が国境を接するヒマラヤ山脈の小国ブータン東部の「サクテン野生生物保護区」の領有権を新たに主張し始めたとの記事が掲載されていた。ちょうど学校が再開された先月から今月にかけて、中国とインドの国境をめぐる衝突がニュースになったので、授業の中でも新聞記事を紹介したところである。
授業中に中国の地図を描いてもらいました。国境について2つの破線部があったかと思います。ネパールの西の方はラダク地方といい、インドとパキスタンが領有を激しく争っているカシミール地方に隣接します。
今回はブータンの東側が舞台です。新聞記事にもある通り、中国の習近平国家主席とインドのモディ首相の間は国境だけでなく、政治や経済でも揉めています。中国が弾圧をかけているチベット仏教の指導者ダライ・ラマ14世は、60年以上インドに亡命したままです。
考査にも出題しましたが、こうした中国の拡大の背景には、中央アジアとインド洋を制する「一帯一路」経済圏構想があります。世界には様々な国境紛争がありますが、その政治的、経済的、宗教的背景を押さえておく必要があります。期末後の授業で触れていきたいと思います。