本日の東京新聞夕刊に、ノーベル化学賞を受賞した吉野さんの会見の様子が紹介されていた。
環境対策というと工業に逆行する、コストのかかるものという前提があるが、吉野さんは「環境に優しくて安い製品を日本から発信すれば、世界制覇できる。大阪流に言えば、絶好の金もうけのチャンス」とまで言い切る。そして、自身が開発に貢献したリチウムイオン電池を中心に据えた持続可能社会について提言する。
現在開発が進む、リチウムイオン電池の進化型の「全固定電池」が実用化されると、ガソリン自動車や化石燃料発電所は駆逐されるとも言われる。私たちが享受してきた産業革命以降の社会のあり方そのものがパラダイムシフトを起こしていく。省エネや効率化といった、これまで日本が得意としてきた技術革新が全く通用しなくなる時代がこれから訪れるのかもしれない。
文系に進む生徒も、理工系に進む生徒も、吉野さんが描くこれから20年先の、脱化石燃料、脱原発の社会のあり方を展望してほしいと思う。