日別アーカイブ: 2019年12月26日

「昆虫食 お菓子で気軽に」

本日の東京新聞夕刊に、群馬県の高崎経済大学の学生が昆虫食の開発を手掛ける企業を立ち上げたとの記事が掲載されていた。
タイ北部やラオスでは、すでに昆虫食が庶民に必要な栄養素を含んだ食品として普及している。いよいよ日本でも昆虫食が環境問題と相まって、注目されていくのであろう。もともと日本で高度経済成長まではイナゴや蜂、蚕のサナギなどを食べる習慣が残っていた。しかし、食の欧米化に伴い廃れていった歴史がある。

先ほど、牛肉は生産するのに環境負荷が大きいということを書いた。そこで、ある昆虫食を販売する企業のサイトを見たところ、タンパク質1kgを生産するのに、鶏は300gの温室効果ガスを排出する。豚は1,130g、牛に至っては2,850gものガスを排出とある。しかし、コオロギ はわずか1gである。

日本ではコオロギ というと、あまり良いイメージがない。しかし、人口爆発によりタンパク質不足が叫ばれる中、日本の高い食料技術を活用し、官民一体での取り組みが求められるのでは。

「細胞から培養 牛ステーキいかが」

本日の東京新聞夕刊に、イスラエルの企業が牛肉を細胞培養から作ることに成功し、数年後の商品化に向けて研究開発を進めているとの記事が掲載されていた。細胞から培養された肉というと、何やら手塚治虫の漫画のワンシーンを思い出すが、意外とすんなり受け入れられるような気がする。

農林水産省発行のパンフレットによると、牛肉1kgを生産するのに穀物は11kg必要となる。豚肉1kgに対し穀物7kg、鶏肉は同4kg、鶏卵は同3kgの穀物が必要とされる。先進国の金持ちが牛肉を味わう光景は、開発途上国で飢えに苦しむ子どもの姿と裏表の関係である。牛肉は環境負荷が大きく、世界でも一部の人しか口にできないものだという点は忘れてはならない。日米貿易協定により、今後ますます安価な牛肉が輸入されるが、賢い消費者は生産過程にも注目しておきたい。

独立行政法人農畜産業振興機構のホームページによると、2017年現在、米国には乳用や繁殖用も含め9358万5000頭の牛がおり、3年連続で増加している。特にテキサス州では前年比4.2%増の1230万頭を数える。こうした莫大な数の牛が吐き出すメタンガスがもたらす温暖化への影響は計り知れない。