保阪正康『昭和史がわかる55のポイント』(PHP文庫 2001)を読む。
1988年に刊行された『昭和史を読む50のポイント』に加筆・修正が加えられたものである。
昭和を象徴する戦争や事件を追うことで、昭和のポイントを概観できる流れになっている。文章も分かりやすく、歴史的事実を押さえるのにちょうど良い内容であった。
ただし、特定の読者をターゲットにしたのか、社会党を揶揄したり、全共闘運動を低レベルだと結論づけたりして溜飲を下げるところが随所に見られる。著者は歴史に謙虚であれと大上段に構えるが、昭和というわずか60年余りの時間枠の中で歴史的事象を総括することの危うさにも謙虚であってほしい。