日別アーカイブ: 2014年8月7日

地誌学 第2課題

【北Eurasia】
 ほぼ東経60度の経線に沿って,Ural山脈が走っており,西側は標高300m以下の東Europe平原が広がっている。東側からEnisei川にかけては西Siberia低地が広がり,Enisei川以東からLena川にかけて中央Siberia高原がある。Lena川以東は新期造山帯となり,北米・太平洋Plateの境界に位置するKamchatka半島では地震活動が活発で,約30の活火山が世界自然遺産に登録されている。気候的には大半が冷帯気候に属する。国土の約3割で1月の平均気温が-30度を下回り,結氷期間は半年以上にわたる。気温の年較差が大きく,東Siberiaでは60度以上にも及ぶ。国土の大半はTaigaと呼ばれる針葉樹林に覆われ,北極海沿岸は蘚苔や地衣類が生育するTundra帯である。Russia南西部や南部の国境地帯のSteppe気候地域に人口が集中している。また,TaigaやTundaraが広がる地域は永久凍土となっており,その南限は1月の-20度の等温線とほぼ等しい。
 Russiaは,世界でも有数の鉱産資源大国であり,石油や天然ガス,石炭,鉄鉱石など,主要な地下資源のほとんどの産出量が世界の上位に位置する。また,diamondやnickel,金なども豊富で,社会主義時代には,軍事力を背景にして,鉱産資源を安全に輸送するために周辺国を押さえ込み,pipelineを敷設するなどしてきた。しかし,1991年のソ連解体後,次々と周辺国が独立し,資源や国境を巡る民族・宗教紛争が頻発している。昨今のUkraine騒乱や,Chechen共和国の独立運動も,民族・宗教・言語の全ての面で統制を図ってきた旧ソ連時代の反動が続いていると分析できる。
 日本とは北方四島の帰属を巡りもめているが,旧樺太にあたるSakhalinの石油や天然ガスの多くが日本に輸出されている。

【Europe】
 気候的には,西部が暖流の北大西洋海流の影響で温帯気候,東部が冷帯気候,Alps山脈以南は地中海性気候となっている。IcelandやScandinavia半島は寒帯に属し,Fjordなどの氷河地形が見られる。
 通商貿易に依存した港湾都市が大都市となり,やがて国家へと発展した例が多い。また,言語はLatin語を基礎として発展したものが多く,ほぼ民族国家単位の国語に分かれている。Christ教を共通の文化基盤としており,言語や宗教を巡る紛争が少ない。
 そうした文化の共通性もあり,1993年のMaastricht条約の発効に伴い,EUが成立した。2014年現在加盟国数は28となり,単一通貨Euroは18カ国に流通している。
 日本との関係も深く,1860年代以降,憲法に始まり,政治や経済,学問や思想,芸術の幅広い分野で日本はEuropeの波に洗われた。

【北America】
 西部はAlaska山脈やRocky山脈などの環太平洋造山帯の険しい山脈が連なり,東部は,Labrador高原やAppalachian山脈などの安定陸隗が広がる。北緯40度以北は冷帯や寒帯,西部は乾燥帯,東部は温帯気候となっており,夏に竜巻やHurricaneが頻繁に発生し,大きな被害をもたらしている。
 北米の農業地域は,いくつかの農業地帯に区分されてきた。中西部のCorn Belt,南部のCotton Belt,年降水量500mm前後のWheat Beltが代表的である。現在,大規模な企業的農業や,乾燥地帯でもCenter Pivotによる灌漑施設が点在し,穀物majorのような商社が国際流通に大きな影響力を持ち,世界最大の農作物輸出地域となっている。
 また,北米経済は豊かな地下資源に支えられ,20世紀を通じて,石油や石炭,天然ガスなどを活用した繊維産業や製鉄業,自動車,造船業などの伝統的工業が世界を牽引してきた。20世紀末以降は,航空宇宙産業やICT産業,biotechnologyなどの先端技術産業の分野へと活路が広がっている。
 日本と米国の関係は深く,軍事,政治,経済,学問,文化,思想の全ての面で,「共依存」関係にあると言っても過言ではない。

【中・南America】
 太平洋沿岸はMexico高原からAndes山脈までの新期造山帯で,Guiana高地やBrazil高原などの東部は安定陸隗となっている。その中央部にはAmazon川流域の世界最大の熱帯雨林が広がり,地域の75%以上は熱帯に位置する。
 地域全体の共通性や同質性が強く,総人口5億6千万人のうち,約63%がSpain語を,約34%がBrazil1国であるがPortugal語を公用語としている。また,この地域の人口の90%前後がCatholic教徒である。Spain/Portugal両国の植民地支配の名残で,monoculture経済による1次産品の輸出偏重と外国資本への依存や,過剰都市化の進展や一極集中,国内の経済格差や国規模での格差の拡大が進んでいる。
 2014年8月に安倍首相がBrazilの日系社会の会合に招かれ,「絆をより太く」と発言したように,日本からの移民も,また日本への移民も数十万人単位を数えるほど関係は深い。